by John R. Lott Jr.
銃規制の非常に厳しいイギリスでは、それは起こっていないということにされている。だが先週、イギリス北西部のカンブリア州でDerrick Birdという容疑者が12人を殺害しさらに11人に重症を負わせるという事件が起こった。ある地方新聞の見出しは「世界一厳しい銃規制、カンブリア州の悲劇を防げず」だった。
最近の歴史を紐解いてみよう。最悪の学校での銃乱射事件が起こったのはどこか?ほとんど全部がヨーロッパだ。一番悪い事件は2002にドイツのErfurtの高校で発生したもので18人が殺された。二番目に悪い事件は1996のスコットランドのDunblaneで発生したもので16人の園児とその教師が殺された。三番目に悪い事件はドイツのWinnendenで15人が殺された。五番目に悪い事件はドイツのEmsdettenで9人が殺された。
銃規制を信じている人たちにとってはドイツで5つのうち3つの事件が発生していることは驚きかもしれない。イギリスほどではないにしてもドイツの銃規制はヨーロッパの中で最も厳しいものの一つだ。免許の有効期限はわずか3年で、取得するためには厳しい身分証明を経なければならず、さらに当局に銃を保有する必要性を説得しなければならない。さらに精神障害者、薬物またはアルコール依存症、暴力的または攻撃的傾向のある者、重罪の有罪判決を受けた者の銃の保有は禁止されている。
・2001年9月27日、スイスのZug:男がスイスの州議会のメンバー14人を殺害した。
・2001年10月29日、フランスのTours:フランス人の鉄道員が銃を乱射し4人が殺害され10人が負傷した。
・2002年3月27日、フランスのNanterre:男が市議会のメンバー8人を殺害した。
・2002年4月26日、ドイツのErfurt:元生徒が学校で18人を殺害した。
・2002年2月19日、ドイツのFreising:3人が殺害され1人が重傷を負った。
・2002年10月15日、イタリアのTurin:市を見渡せる山腹で7人が殺害された。
・2006年11月20日、ドイツのEmsdetten:元生徒が高校で9人を殺害した。
・2007年11月7日、フィンランドのTuusula:7人の生徒と校長が高校で殺害された。
・2008年9月18日、イタリアのNaples:公衆会議場で7人が殺害され2人が重傷を負った(この事件はマフィアを含んでいたかもしれないので後の計算では除外している)。
・2008年9月23日、フィンランドのKauhajoki:10人の学生が大学で撃たれ殺害された。
・2009年3月11日、ドイツのWinnenden:17歳の元生徒が9人の生徒と3人の教師を含む15人を殺害した。
・2009年3月19日、フランスのLyon:男が看護学校で発砲し10人が重傷を負った。
・2009年4月10日、ギリシャのAthens:生徒によって専門学校で3人が殺害され2人が重傷を負った。
・2009年4月11日、オランダのRotterdam:カフェで3人が殺害され1人が重傷を負った。
・2009年5月24日、オーストリアのVienna:寺院で1人が殺害され15人が重傷を負った。
・2009年12月31日、フィンランドのEspoo:モールで4人が殺害された。
・2010年6月2日、イギリスのCumbria:イギリス人のタクシードライバーに12人が殺害された。
では、これをアメリカとどのように比べたらいいか?シカゴ大学のBill Landesと私は1977年から1999年のすべての銃乱射事件のデータを集めた。4人以上が殺害された事件では、平均で年間10.6人が殺害されていた。
このような銃乱射事件は非常に稀な現象だが、これらはマスメディアの注目を非常に集めるのでその報道が生み出した間違った印象は打ち消すのが難しい。私が外国のジャーナリストにインタビューを受けた時にも(ドイツのジャーナリストでさえ)彼らは何故アメリカでだけ起こるのかと毎回のように尋ねてくる。そして彼らは、私があなたたちの国でも起こっています、アメリカ特有の事件ではありません、普遍的な現象なのですと指摘すると衝撃を受けて帰っていくのだった。