2017年12月8日金曜日

ヨーロッパで3万人以上の移民が殺害された?

The ever-rising deadly toll of Europe’s insane migrant policy

Nicola Gelinas

恐ろしい数字だ。地中海では2408人、アフリカ北部では365人、ヨーロッパでは35人が亡くなっている。

ヨーロッパの移民に対する政策がわずか7ヶ月でこれだけの死亡者を生み出している。ヨーロッパの入管管理システムは難民にも経済移民に対しても残酷なものだ。

2年前に、ドイツの首相アンゲラ・メルケルは辿り着いた先の港で求められていた難民申請登録に係る要件を不注意にも停止してしまった。それにより難民たちはさらに西へと移動することが可能になった。ドイツの住民権を与えると暗に約束したことがさらなる混乱を招いた。

メルケルの政策はイスラム国から逃れたシリアの難民だけに限定されるはずだった。だが彼女のメッセージは世界中に届いてしまった。その年に、100万人近くの人々が海を渡ってヨーロッパを目指した。何割かの難民は無事にドイツへと辿り着けた。35万人以上のシリア人が難民申請を行ったということになっている。だが誰が入国したかの記録がないために、それが本当にシリア人であったのかを確認することは不可能になっている。

先週、モロッコから小さなボートに乗った「大勢の」移民たちがスペインの海岸線へと辿り着き走り去っていったと目撃者たちは語っている。それと同じ日、まったく同じ海路で、ヨーロッパの政府職員は海を漂っていたアフリカからの移民25人を救助した。

それと同じ週に、パリのエッフェル塔付近に停車していたバスの下に隠れていたスーダンとエリトリアからの3人の密航者を運転手が見つけている。彼らはイギリスまで密航するつもりだった。

移民がどこから移動し、そして誰なのかがどうして重要なのか?困難な移動に肉体的に耐えることができる人だけを受け入れる政策は誰も幸せにはしない。

ヨーロッパの政策は、危険な砂漠や海を渡っている間中、人身売買業者に捕まる恐れのある旅に耐えることができる、屈強な男だけに優位に働いている。

多くの人はその旅に耐えることができない。信頼できるレポートによると、人身売買業者は人々を何ヶ月も閉じ込め、奴隷として売りさばき、もしくは彼らをお互いに殺し合わせているという。

これに耐えることができる人々だけを優遇しているヨーロッパの政策は残酷としか言いようがない。残された家族や高齢者、病人、性的暴行に晒される恐れのある女性や少女、旅費を払うことのできない貧しい人々を無視しているという点でも残酷だ。

ヨーロッパのシステムは大部分を占める経済移民と難民を区別することにも失敗している。

イタリアでは、数千という少女が旅費を支払うために売春を強要されている。奴隷として扱われている彼女たちはコンドームを着用することを拒否する男たちのせいでHIVに感染している。そして彼女たちは絶え間ない暴力に晒されている。「1994年から1998年の間に、少なくとも116人のナイジェリアの少女たちがイタリアでは殺害されている」。

難民申請者たちの多くは押し出されたのではなく、むしろ引き寄せられた。ヨーロッパが提供した非現実的な約束によって。

このまま手をこまねいていれば、貧困と難民人口の増大によってこの問題はますます大きくなるばかりだろう。

ヨーロッパの対応はほとんど改善していない。フランスの新しい大統領Emmanuel Macronは数千人の難民に62のホテルをあてがって閉じ込めた以外のことはしていない。他にしていることといえば、移民の人数が減少するのを待っているぐらいだろう。

(以下、省略)
(補足)2000年以降、地中海では3万人以上の移民が亡くなっていると報告されている。海に沈んだ人数など正確に分かるはずもないので、この数字が氷山の一角に過ぎないのは言うまでもない。

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