2017年5月9日火曜日

経済学者の質が急速に低下している?(もしくは最初から高くなかった?)Part3

VOX.EU第三弾、今回紹介(批判)するのもこれまでにまた輪をかけて最悪だ。今回の筆者たちはピケティ、サエズ、ザックマンのいつものフランス人たちだ。格差が拡大した教の最大の教祖の1人、kop-czukに手酷い裏切りを受けて暴走し始めたのではないかと思えるぐらい穴だらけの内容となっている(kop-czukの最新の論文は実はアメリカと同じぐらい所得上位1%の所得シェアが上昇していたノルウェーの格差拡大がやっぱり見掛け上だけだったことをこれでもかというぐらい説得的に示している。kop-czukが再三指摘しているようにそれとまったく同じ議論がアメリカにも当てはまる)。

One major problem is the disconnect between macroeconomics and the study of economic inequality. 

所得格差の研究に(税の研究と同じように)マクロ経済学とミクロ経済学とで方法論と結果に対立があるような書き方をしているがそのようなものは存在しない。

Macroeconomics relies on national accounts data to study the growth of national income, while the study of inequality relies on individual or household income, survey, and tax data.

存在しないものとどうして対立を煽ろうとしているのか意味が分からない。

Ideally all three sets of data should be consistent, but they are not. The total flow of income reported by households in survey or tax data adds up to barely 60% of the national income recorded in the national accounts, with this gap increasing over the past several decades.

それを指摘された時に無視して逃げ出したのは自分たちではないのか?

Yet we do not have a clear measure of how the distribution of pre-tax income differs from the distribution of income after taxes are levied and after government spending is taken into account. This makes it hard to assess the extent to which governments make income growth more equal.

議会予算局(CBO)を含めて多くの人々がとっくの昔にそれを行っている。

First, our data show that the bottom half of the income distribution in the US has been completely shut off from economic growth since the 1970s. From 1980 to 2014, average national income per adult grew by 61% in the US, yet the average pre-tax income of the bottom 50% of individual income earners stagnated at about $16,000 per adult after adjusting for inflation.


恒例の、中間層の所得はまったく増加していない的なグラフだが今回はその馬鹿さ度合いがいつもの数十倍はすごい。驚くことに「アメリカ人の半数の所得が1962年からまったく増加していない」と真顔で主張している。

1962年頃の写真


1962年頃の写真

現在のアメリカ





(最初の一枚はともかくとしても)上からフロリダ州、ミシシッピ州、アラバマ州だからむしろアメリカで最も貧しい州といってもいいはずだ。1962年から所得が増加していないということはアメリカ人の半数以上が未だに白黒の写真や1960年代の車を使っていて、エアコン無し、カラーテレビ無し、パソコン無し、インターネット無しの生活を送っているということ(若干異なるがそれとほぼ同義)になる。自分たちがどれだけ馬鹿げたことを言っているのか経済学を少しでも理解していれば分かりそうなものだが、いくら説明されても分からないようだ。

経済学者の質が急速に低下している?(もしくは最初から高くなかった?)Part2

前回VOX.EUで読まれていた論文を紹介(批判)したが、今回紹介するのは前回紹介したものよりもはるかにひどい。緊縮が経済にダメージを与えたと主張する内容だが、あまりにもひどすぎるので緊縮反対派への自爆テロなのではないかと疑ってしまうほどだ。今度の論文は3万人近い人に読まれているらしい。それだけ影響力が大きいのに出鱈目ということだ。では見ていこう。

The financial press and many economists have pointed to austerity policies that cut government expenditures and increased tax rates as an explanation for the slow recovery in several European countries (e.g. Blanchard and Leigh 2013, Krugman 2015). Our analysis finds that variation in austerity policies can in fact account for the differences in economic performance, and that these policies are sufficiently contractionary to contribute to increases in debt-to-GDP ratios in high-debt economies (House et al. 2017).

クルーグマンの嘘に騙された被害者たちであることが冒頭から判明する。

緊縮の影響を調べる際には、そもそも緊縮をどのように定義するのかという問題が発生する。筆者たちは政府購入の予測値と実際の値との差を緊縮として定義すると宣言している。これは例えば政府購入が100兆円だとして大不況前にそれが2%のトレンドで増加していたとすると、大不況後もその2%のトレンドが続くと仮定してそれを政府購入の予測値とし実際の値と比較する…というのではなく過去不況が起こった時に財政政策がどのように反応したかをベンチマークとしそれと実際の値との差を緊縮と定義するとしている。政府支出が通常は不況の時に増加しているのに、2008年の大不況の後では増加していないのであれば緊縮と定義するとしている。

そして緊縮とGDPとの関係をこのようなグラフにしている。


このグラフは先程定義された緊縮が行われなかったとした場合のGDPの予測値と実際の値との差の関係を示している(面倒なので過去のベンチマークとの比較であるということはこれからは省略する)。ようするに右端のギリシャは2010年から2014年の間に累積でGDP比9%ほどの緊縮を行いGDPが累積で20%近く減少しているということを示している。赤い丸はユーロを使用しているか為替レートをユーロにペッグしている国で黒い丸はそうではない国だ。

詳細を見てみよう(個別に見ていくやり方は好きではないけど)。(ベンチマークと比較して)ブルガリアはたった4%の緊縮で(馬鹿馬鹿しいことに)GDPが14%も減少している(恐らくは大恐慌並みでは?)。イタリアはたった3%の緊縮でGDPが8%も、スロベニアはたった2%の緊縮でGDPが12%も縮小している(乗数に換算すると6)。ポーランドはたった1%の緊縮でGDPが6%も減少しているし(同じく乗数6)、ベルギーも1%以下の緊縮(ベンチマークと比較するという手続き上の不透明さから考えると誤差の範囲内なのでは?)なのにGDPは4%も減少している。筆者たちは本気でこの結果を信じているんだろうか?逆にアメリカは2%近い緊縮でGDPの縮小は皆無(乗数ゼロ)、ルクセンブルグに至っては1%近い緊縮でむしろGDPが増加している(乗数はむしろマイナス)。他の要因(増税されたかどうか、生産性へのショック、各国の債務比率の増加幅の違い、リスクプレミアムの違い)はすべて調整したので、この結果は緊縮だけによってもたらされたものだと筆者たちは主張している(ちなみに全体で見ると乗数は2だと彼らは言っている)。過去にこれ以上の規模の緊縮は幾度も行われているというのにこれほどの規模で不況になった国が(自分の知る限り)1つもないことを考えると筆者たちの主張は極めて疑わしいと言える。

グラフから分かるようにこの相関関係はユーロを使用しているか自国の通貨を使用しているかどうかにあまり影響を受けていない(これが本当だったら変動相場制の国は為替レートを減価させることによって速やかに不況から脱出することが出来る、自国の通貨を使用していればギリシャみたいにはならない、などと大騒ぎしていた人たちは何だったのか?)。

次に先程までの統計的手法とは異なりどの経路によって経済が影響を受けたのかを具体的に調べるために、筆者たちは国の規模、各国間の貿易のつながり、為替レートレジームなどを組み入れたニューケインジアンDSGEモデルに緊縮ショック、cost of firm creditショック、金融政策ショックを与えてみると現実のデータを非常によく再現できたと主張している。

Overall, the model generates predictions that are very close to those found in the data.

その関係というのが以下のグラフに示されている。


驚くことに見ての通り、データをまったく再現できていない。上段の左端を見ると、点線はベンチマーク(現実の緊縮、借入金利の上昇、各国間の金融政策の違いなどが組み込まれたもの)+ZLB(非負制約、筆者たちは結果にほとんど影響を与えていないと言っているのでおまけのようなもの)だがデータを再現するどころか2008年の金融危機ではむしろ大好況だったと言っている。現実のデータは当然大不況だったことを示している。ベンチマークが現実のデータを再現できていないというのでは話になるはずもなく以降の分析(緊縮さえしていなければ債務GDP比率が上昇することもなかった)もすべて間違いだと言っていいと思われる。実際、下段左端のGIIPS(ギリシャ、アイルランド、イタリア、ポルトガル、スペインを表す造語、PIIGSと呼ばれることに抗議が入ったため姑息に並び方を変えたと思われる)では2008年の金融危機には奇妙な動き方をしているが、それ以降はモデルがデータをある程度再現している。このケースでは緊縮がなかったら(現実のデータとは異なり)GDPがほとんど減少しなかっただろうということが示されているが、この結果もはっきり言って疑わしい。筆者たちは企業の借入金利を調整したと言っているが、GIIPSがドイツやECB、IMFなどに救済されたことは多くの人が知っておりそれがなければ借入金利は遥かに高騰したことが容易に予想できる。ようするに救済後もしくは救済が予想される状況でのデータでは正しい結果が得られることはない。ケインズ派の主張がまともな経済学者からは相手にされることはなくなった現在、「ケインズ派の主張が実際のデータから確認されたことは一度もない」と自らもケインズ派であるにも関わらずそのことを誠実?にも唯一人認めているロジャー・ファーマーの発言の正しさが改めて確認されたようだ。

経済学者の質が急速に低下している?(もしくは最初から高くなかった?)Part1

VOX.EUでおかしな論文を幾つも見掛けたのでそれらをこれから記事の題材にしてみようと思う。VOX.EUとは経済学に関心がある人の間では結構知られているサイトみたいで、経済学者たちが自分たちが書いた論文の内容をお互いに対して簡潔に紹介する活動を行っている。ヨーロッパの経済学者の割合が高く、話題もヨーロッパのことである場合が多いような気がする。今回はたまたま見掛けたtax reform and top incomeという題の論文を紹介(批判)したいと思う。ちなみにこれ以降も原論文はまったく読んでいないので(ないとは思うが)的はずれな批判をしている部分があるかもしれない。だがそれでも主旨が間違っているということに変わりはないように思われる。

Understanding the relationship between tax progressivity changes and pre-tax income inequality has become important following the recent reductions in income tax progressivity carried out in most developed countries.

一行目から、税の累進性と(課税前の)所得格差との関係を調べると宣言している。筆者たちは税率の引き下げ(特に高額所得者に対する)が所得格差を拡大させたと主張しているが、税率が影響するのは(高額所得者の労働時間を急激に増加させるというのでなければ)課税後の所得なのは言うまでもない。

Because of the complex interdependence between income taxation and income inequality, however, the relationship is still not clear.

未だに関係性は分からないと言っているがとっくに分かっている。


(最高税率の引き下げは見掛けの所得格差を拡大させただけというレイノルズの主張をそれと気が付かずにIMFが自らの手で証明してしまうの図)

Analysing the effect of single events puts specific requirements on the statistical methods used. We tackle this challenge by estimating synthetic control groups (Abadie et al. 2010) and complemented it with standard difference-in-difference estimation.

Synthetic control groupsとは経済学の実証で比較的最近用いられるようになった手法で、(誤解を恐れずに言うと)調べたいと思っている対象とよく似た特徴を示すサンプルを幾つか集めてそれをグループにし、例えば今回の場合であれば減税が行われる前と後とで対象とそれらのグループの間に変化が現れるかどうかを調べる。その結果がグラフに示されている。


オーストラリアとニュージーランド、ノルウェーと3ヶ国しか調べられていないのに、(自分が知っている限りでは)オーストラリアと似た特徴を示す国といえば(カナダを除けば)まさにそのニュージーランドぐらいでニュージーランドと似た特徴を示す国といえば今度は逆にオーストラリアぐらいだから本当にまともなsynthetic control groupsを構築できているのか疑問が残る。それ以前に、国レベルでこの手法を適用するのはかなり限られた条件でしか成立しないと思う。実際、筆者たちの紹介している(Abadie et al. 2010)は、カリフォルニア州が実施したタバコ規制に効果があったのかどうかを他の州をsynthetic control groupsとして調べたものだったと思う。

それよりも問題なのはこのグラフの結果自体で、オーストラリアはともかくとしてもニュージーランドのcontrol群もノルウェーのcontrol群もそれぞれの国が税率を引き下げたのとほとんど同時期に所得上位1%のシェアが上昇し始めている。最終的にノルウェーはcontrol群とほとんどシェアが同じニュージーランドに至ってはcontrol群の方がシェアが高くなっている。それ自体はそこまでは問題ないのかもしれないが(コントのようにしか思われないが)、IMFのグラフ(ちなみにIMFでは労組の組織率が所得上位1%の所得シェアと強く相関しているということを示しているワーキング・ペーパーも存在していたと思うが、単なる偽相関だと思われる)と合わせると筆者たちが他の国でも減税が行われたことを見落としたのではないかという考えにくい疑惑が浮上する(もしくはやはりcontrol群の選択に失敗しているのか)。

そして税率の引き下げと成長率には関連があるようには思われないといういつものお決まりのパターンで締めくくっている。


所得上位1%のシェアが拡大した国の方が成長率が高くなっていることを示した論文(実際、オーストラリアはともかくニュージーランドやノルウェーはそうなっている)や最高税率と起業率との間に関係があることを示した論文などは一切無視するのだった。

徹頭徹尾結論ありきのこのような論文を1万2000人もの人が読んでいるというのに未だに無批判に放置されている。

スコット・サムナーは馬鹿なのか?

これまでは政治家に対する批判などほとんどしていなかったのに、突然狂ったようにトランプに対する批判を始めるようになったスコット・サムナーの豹変の記録。以前からリベラルに媚びる発言を頻繁に行っていたから最初からこういう人間だったと言えるかもしれないが。

スコット・サムナーを簡単に紹介すると、
・名目GDPターゲットの熱烈な支持者
・穏健なリバタリアンと自称している
・穏健なサプライサイダーとも自称している
・悪い記事を書くことがほとんどだがたまに良い記事を書くこともある(良いサムナー、悪いサムナーと呼ばれている)
・金融緩和の尺度として金利は妥当ではないので名目GDP(予測)市場を創設してそれをターゲットにするべきと主張している
・市場の反応(特に株価)を重視するので自分たちのことをマーケットマネタリストと呼んでいる
・都合の悪い批判には(あまり)耳を貸さない(これでもまだましな方と言えるが)
・経済学の理解が初歩レベルで間違っていることが結構ある(本人も認めている)
・トランプ大統領の当選後の株価上昇をどう思うかと(これまでの主張とは矛盾するのではないかと)尋ねられてもはぐらかし続けている
・大抵のことで、自分は正しかったと強硬に主張する

It's a crazy world out there

Scott Sumner

トランプ大統領の外交政策が危険だと憂慮しているのかと尋ねられた場合には、湾岸戦争の時の例を挙げるようにしている。アメリカはイラクとクウェートとの「国境問題」に関してサダムに曖昧なメッセージを送ってしまった。サダムはそれをゴー・サインだと誤って解釈した。アメリカはこの問題に関心を持っていないらしいと考えた。だが彼は誤りだった。アメリカは関心を持っていた。サダムは捉えられイラク人の手によって処刑された。その間にサダムによって大勢の人が殺害された。振り返ってみると初めから私たちの意図をはっきりさせておいたほうが良かったように思われる。

更新:イラク攻撃と書いていたが湾岸戦争のことを言っていたつもりだった。酩酊状態にある時にブログを書いている時にはよくあることだ。

トランプ政権はアサドを政権に残すかはシリアの人たちの手に委ねると示唆した。アサドはそれをアメリカがシリアに関心を持っていない証だと受け取った。よって彼は市民に対して毒ガス攻撃を躊躇なく決行した(*無茶苦茶な論理)。だがブッシュ大統領がクウェートを気に掛けていたようにトランプ大統領もアサドが殺害した子どもたちのことを気に掛けていた(子どもたちが殺害される前に彼がそのことを伝えていなかったのは残念なことだ)。彼はレッドラインが幾度も超えられたと語った。この結末がどうなるのかは分からない。だが私たちは外交政策における曖昧さのコストを学習している。曖昧さは誤解を生む。トランプ大統領の友人であるプーチンはアサドの子どもたちの殺害をロジスティックス面から支援している(*トランプ大統領がプーチンを支持しているという話はとっくの昔に否定されている)。従ってアメリカの介入は、意図してのものではないだろうが、ロシアとの間に対立を生み出すだろう(この批判はオバマの「レッドライン」発言にも同様に適用される)。

1月頃に、彼がフリンやバノンのような人たちを国家安全保障局に入局させていることは非常に危険だと指摘した。彼らが外されたことを知って今日はとてもうれしい。そしてトランプ大統領がアサドに関して私が正しかったと認めたこともとてもうれしい(*どこが?)。そして私のブログのトランプ支持者の熱心なコメント者たちが間違っていたことも。だが彼のような無知な人間を大統領にしておくことは危険だと私は今でも思っている(*オバマは8年間でもOK)。基本的には、私たちは専門家たちがトランプ大統領が大きな失敗を犯すのを防いでくれるとこれからも期待するだろう(*それを指摘していたのは支持者たちで、トランプは独裁者でイエスマンばかりをまわりに固めて絶対に人の言うことに耳を傾けるはずがない、だから支持者たちの言うことは間違いだと言い続けていたのは誰だったのか…)。恐らくはそうなのだろう。だがそうであれば最初からそのような指導を必要としない誰かを好むだろう(*本当にサムナーが言うようにトランプが狂人であったのであればまともな専門家が選ばれるはずはないのにそうではなかったということ。矛盾だらけ)。

(極右)Benjamin Cole

良い記事だった。でも1つ間違いがある。

最初の湾岸戦争はイラクのクウェート侵攻に対する対応だった。ブッシュ大統領はクウェートを立て直した。

2003年のイラク攻撃は、サダム・フセインが9.11に関わっていたこと大量破壊兵器を保有していたことを理由に行われた。どちらも事実ではなかった(典型的な馬鹿極右)。

トランプ大統領とディープステイト(影の政府が存在するという陰謀論)とどちらが悪いのだろうか…

(極右)Major-Freedom

驚いた。ウォーターゲート事件を上回るスーザン・ライスの大スキャンダルやトランプ陣営へのスパイ活動に関するコメントが1つもないなんて。

Christian List

アサドが毒ガス兵器を使用することは「不可能」なはずなんじゃなかったのか?オバマがプーチンやアサドと「秘密の取引」を交わしたはずなんだから、覚えてるか?毒ガス兵器はすべて破棄されたはずだ、覚えてるか?サムナー、君はそれらの凄まじく愚かな取引を歓迎していた、覚えてるか?イランとの取引と同じぐらい愚かしかった、覚えてるか?シリアは毒ガス兵器を持っていないはずでイランは原子爆弾を製造していないはずだった、覚えてるか?それらはすべて君やメディアが熱狂的に支持していたオバマの交わした取引だった、覚えてるか?君の頭の中はどうなっているんだ?記憶喪失?君の病気が治る手助けをしてあげようか?

アサドを排除しないかもしれないというトランプの戦略は間違っている。だがそれは新しいことでも何でもない。君にもう一つ例を与えてあげるよ。ケリーは2015年にアサドに権力の座に残ってもいいとすでに言ってしまっている。ここには大きな変更は見られない。どちらも誤りだ。だがすでにオバマがやってしまっている。

ssumner

私はその当時オバマを批判している(*同じぐらいオバマを批判していた→大嘘、トランプが登場して以降→毎日のように狂ったように罵詈雑言の嵐)。私の考えを君が誤解していたからといって謝る必要はない(数日前だったか?)もう一度繰り返すつもりか?情けない。

(極右)E. Harding

ドラッグをやっている?

テイラー・コーエンはひどく過大評価されている。毒ガス兵器の話は疑わしい。もっと調査を要求する。シリア軍は2013年の8月に毒ガス兵器を使用したと報告されている。だがそれらはとっくの昔に取り除かれたはずだ。どちらにしてもアメリカはもっとイエメンに注意を向けるべきだ。イエメンの動向の方がシリア政府の動向よりも遥かに重要だからだ(それにシリアの毒ガス兵器に関する証拠は説得的だとは思わない。この事件はアルカイダが支配している地域で起こった)←ブッシュ大統領が正しかったってことでは?

(極右)Ray Lopez

第一に、毒ガス兵器は戦場での使用に向かない。第二に、シリアでは毒ガス兵器よりも通常兵器によってより多くの子どもたちが殺害されている。第三に、トランプ大統領はオバマとは違うことを言って政治的ポイントを挙げようとしている。第四に、意図を明確にすることは平和を保証しない。イギリスとフランスはポーランドと1939年の3月に軍事協定を結んだがドイツの侵攻を1年さえも防げなかった。最後にサムナー、君はブログを書いてる最中に酷い酩酊状態なんだって?君は重機の操縦を酩酊状態の人間に任せるのか?だったらどうして君の言うことが信用できるっていうんだ?酩酊状態にある人間はドラッグの影響でおかしくなっているとは思わないのか?こんな人間に連邦準備銀行の次期議長を任せたいと私たちは思っていたのか?多分そうなのだろう。逆に彼のような人間でなければインフレ期待を上昇させるために「credibly irresponsible(無責任なことに責任を持つ)」にコミットすることなどできないんだろう。

E. Harding

ところで、サムナーはまたいつものように嘘をついていた。

https://www.google.com/search?q=site%3Athemoneyillusion.com+syria&rls=com.microsoft%3Aen-US%3AIE-Address&biw=1304&bih=683&source=lnt&tbs=cdr%3A1%2Ccd_min%3A2013%2Ccd_max%3A2013&tbm=#tbs=cdr:1,cd_min:2013,cd_max:2013&q=site:themoneyillusion.com+Syria&*&spf=597

ドラッグはもういい加減にしてくれ。

E. Harding

いつもはレイの言うことに反対なんだが今回だけは同意できる。

Major-Freedom

他の多くの社会主義者たちと同じくサムナーはダブル・スタンダードだ。

連邦準備の存在を批判する人たちには彼らはそれに代わる代案を持っておらず反実用主義だと言い批判する。

だがトランプ大統領を批判する時には、彼は代案を示さない。

アレッポの場所を知らなかったJohnsonやこれ以上腐敗している人間を思いつかないClintonは選挙で敗北しているので大統領になれない。

トランプ以外の代案は何なんだ?代案がないのであれば、どうして連邦準備の存在を批判している人たちをサムナーは批判しているんだ?

Major-Freedom

「私はその当時オバマを批判していた」

左翼がこのようなことを言う時の99.99%は実際にはオバマを批判などまったくしていない。自分のバイアスを隠したいがために言っているだけだ。

Christian List

私は嘘なんかついていない。コメントする前に君のブログで検索を行っている。私は君のブログでよく検索を行っている。君の記事の80%ぐらいは良いものだと信じているからだ(少なくとも君が経済に関して語っている時には)。

ロシアへの制裁を解除することを君は幾度も支持している。君はイランとの合意も支持していた。このことだけでもそれにこれまでの君のブログを見ている限りでも、君が毒ガス兵器に関するシリアとロシアとの合意を同様に支持していると想定してもまったく公平だと思われる。むしろどうしてしていないのか?

君がオバマの「レッドライン」発言を支持していないということはよく知っている。だがその理由はまったくはっきりとはさせていない。君は単にその発言が気に入らないだけでそのインプリケーション(軍事非介入)には満足しているように見える。どちらにしても「レッドライン」発言に対する君の態度からは、君がプーチン、アサド、イランとの取引に反対していたという証拠はゼロだ。繰り返すが、どうして今になって反対していたなんて嘘を言い出すんだ?その反対は君のこれまでの発言とは整合性が取れないものだろう?

Major-Freedom

シリアの「毒ガス兵器」攻撃の背後にいたのはシリア軍が虐殺を行ったとの偽の情報を流して偽の人道支援活動を行っていたアルカイダの宣伝活動部隊だ(というフェイクニュースが極右の間では人気なのかもしれない。それが本当であれば(別に本当ではなくても)ブッシュ大統領が正しかったことの証明になってしまうということまでは頭がまわらないのだった)。

アメリカ政府は数京円規模の財政再建を終えていた?

Krugman's Strange View About Planning For the Future

David Henderson

ニューヨーク・タイムズのコラムニスト、クルーグマンは「Debt, Diversion, Distraction」という記事を書いている。その記事の題からも予想が付くと思うが、将来の財政赤字の拡大や債務の増加を恐れてより重要な問題から目を逸らされるべきではないと彼は主張している。その論理は誤りだ。

第一に、これは誤っている部分という訳ではないのだが、彼は一切の紹介をすることもなくCBPPと呼ばれる団体からのデータを用いている。CBPPとは、グーグルで検索してみると、Center on Budget and Policy Prioritiesというシンクタンクであることが分かる。ここにそのシンクタンクの研究がある(省略)。彼も言っているように、そこにはCBPPが6年前に予想していた政府の財政の見通しよりも現在は大幅に改善していることが示されている。


でもどうして議会予算局(CBO)のデータを使用しない?将来の予測には不確実性が伴うだろう。だがCBOの方がCBPPよりも恐らくは財政赤字に対してより厳しいスタンスを保っていると思われる。CBPPは2046年のアメリカの債務対GDP比は113%だと主張しているが、CBOの見通しでは141%に達すると予想されている。これは無視できないほどの大きな違いだ(でも、ほんの数年前にCBOが400%だの500%だの予想していた時にはそれには医療費の増加率の低下が反映されていないからでは?とコメントしていた人もいたのに無視していましたよね?)。


今度は、誤っている部分に移ろう。彼はこのように記している。

「従って、架空の債務問題に「対処する」ための対策としては長期での給付のカットと(嫌々ながらも)増税が必ずと言っていいほど提案される。ようするに、それには現在での政策の変更、それどころか5年先10年先での政策の変更も伴われないかもしれない。ではどうしてその問題を現在取り上げる必要があるというのか?」

「このように言い換えよう。そうだ、私たちは将来いずれかの時点で給付の削減を迫られる事態に陥るかもしれない。だが財政のタカ派たちは、まるで自分たちはこの運命を避ける手段を提供しているかのように語る。将来の給付の削減の見通しに対する彼らの解決策とは…将来の給付の削減だと言うのに!」

だが例えば今から10年間給付を削減するのと、恐らくは彼が好んでいると思われる10年間待ってそれから即座に削減するのには本当に違いはないのか?将来のことを考えている人に聞けば大きな違いがあると答えるだろう。もし私の年金が例えば20%ほど削減されると前もって知っていれば、私は今から貯蓄を始めるだろう。だがもし私が政府は今から10年後に給付を削減するだろうと考えていて、でもそれが本当かどうかわからない場合にはさらには誰がどれぐらい削減されるかはっきりとわからない場合には貯蓄の計画をたてるのは困難になるだろう。

彼はそのような批判が寄せられることは予想しているように思われる。次の段落にはこのように書かれている。

「もしそれでも真剣に意義を唱えようとするのであれば、将来の調整を予め定めておけば移行がスムーズに行えると主張するだろう。だがそれは些細な問題だ。多くの時間を割くにはまったく値しない。債務の問題を話し合わなかったとしても、それによって将来が少しでも悪くなることはありえない」

彼はどうして些細な問題だと知っているのか?現在45歳から65歳の人にとっては非常に重要な問題だ。

以下、アメリカ人のコメント

BC writes:

クルーグマンのロジックによると、私たちは年金を完全に廃止するべきだとなってしまう。人々が必要としているかも完全には分かってさえいないのにどうして今将来の給付を約束しているのか?もしかしたら株式市場に非常に大きな好況が生まれるかもしれないし、人々は私たちが予想するよりも多く貯蓄するかもしれない。どちらにしても、もし高齢者が政府が提供する退職給付を幾らかでも必要としていることが判明するのであればその時になって初めて議会はその不足分だけを準備すればいい。どちらにしてもアメリカの年金はすでにpay-as-you-goの原則を採用しているのだから、どうして今将来の給付を約束してしまうのではなくその時その時になって課税しどれぐらい給付を行うかを決めてしまわないのか?

彼はこのように議論を続けるだろう。「この方法を試してみようじゃないか。そうだ、将来においても年金に依存している高齢者がまだ残っているかもしれない。だが年金の擁護者たちはまるで自分たちがこの問題を解決する手段を提供しているかのように語る。将来の給付への依存に対する彼らの解決策とは…将来の給付を約束することだと言うのに!」

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補足:2010年頃にCBOが出していたアメリカ政府のすべての債務の見通し


反米陰謀信者が最大の心の拠り所としていたアメリカ政府の隠れ債務の根拠がその数字を出していたCBO(もしくはまったく類似の機関であるOMB)によってすでに否定されていたという話。現在ではGDP比で見て141%程度に留まるだろうと見通しが変更されている。どうしてこれほどまでに見通しが変更されたのかというと理由は単純で、医療費の増加率がアメリカでは激減したから。


こんな簡単なことも馬鹿には理解できないらしい…