Timothy Taylor
Edward Glaeser and Jacob Vigdorはマンハッタン・インスティテュートにおいて「The End of the Segregated Century: Racial Separation in America's Neighborhoods, 1890-2010」という論文を掲載した。
ここに、最も目を引くグラフがある。人種間の分離/隔絶度合いを示す際に最も頻繁に用いられる2つの指数、「dissimilarity index」と「isolation index」が用いられている。彼らはこれをアメリカで最も大きい10の都市に適用した。このグラフから読み取れることは、1910年から1950年の期間にそれぞれの人種は離れて住むようになり(隔絶)、1950年から1970年までは横這いのまま、1970年から2010年には人種間の隔絶が急減していることだろう。
Glaeser and Vigdorはこのパターンを以下のように形容している。「人種間の隔絶は1970年以降急激に下落している。2010年現在ではアフリカ系アメリカ人の他の人種からの隔絶度合いは最低の水準にまで達している。50年前には黒人人口の半数近くが黒人の割合が80%を超える所謂「ゲットー」と呼ばれるかもしれない所の近隣に暮らしていた。現在では、その割合は20%以下にまで減少している」。
How is residential segregation measured?
「人種間の隔絶は様々な方法で測ることが出来る。最も頻繁に用いられる方法は近隣のすべてが地域全体と同じぐらい多様である人口密集地帯の人種間の隔絶度合いをゼロ、異なる人種が少しも隣接していない地域を100とする指数を作成する。それぞれの指数はコーディングの仕方によりそれぞれ異なりうる。ある指数は他の指数よりもより詳細な地域のデータを必要とする。最も洗練されたものは各ブロック毎に集められた国勢調査のデータを用いる」
What is intuitive interpretation of a dissimilarity index?
「dissimilarity indexは2つの集団が隣接地域のすべてで等しい確率で見つかるその度合を示す。この指数はそれぞれの集団に属する個人が完全な融和を達成する場合には住む地域を変更しなければならないその度合を示す。この指数は最も頻繁に用いられてきた指数で、初めて用いられたのは第2次世界大戦が終了したその直後だった」。
「Dissimilarityは完全な指標ではない。以下の様な場合を考えてみる。都市にサイズの等しい2つの隣接する地域があったとする。一つは白人の割合が100%で、一つは白人が98%、黒人が2%だったとする。この指数によるとこの都市は大きく分断されていることになる。黒人の半数が完全な融和を達成するためには引っ越しをする必要があるためだ。だがもう一つの重要な側面から見れば、黒人居住者は少しも分断されていないことになる。彼らは白人が98%住む地域で暮らしている」。
人種間の大きな隔絶は社会の大きな懸念事項だった。従って、人種間の隔絶の減少は特筆するべきことで歓迎される。だがGlaeser and Vigdorが指摘しているように、1960年代に居住地の融和に高い期待が掛けられていたことを覚えている人にとっては良いニュースもトーンダウンしたものになる。
「1960年代は人種間の隔絶が最も大きい時代だった。その頃には、人種間の隔絶が黒人が抱える多くの問題の原因であるかのように思われていた。人種間の隔絶は非常に大きかったので、アフリカ系アメリカ人は完全に社会から隔絶されているかのように思われていた。その当時は、居住区の隔絶を減らそうとする試みは一旦人種間に融和が生まれれば黒人の問題はすべて解決するという可能性を提示するものとして考えられていた」
「今ではこれが神話だということを私たちは知っている。50年前より住宅の制約が緩和されたことを歓迎する理由は十分にある。そしてこの変化をもたらした人を称えるべき理由も十分にある。だが人種間の隔絶を取り除くことは魔法の弾丸ではなかったことを私たちは今では知っている。ゲットーの人口が減少し人口の中心が人種間の隔絶の少なかったサン・ベルト地域に移ったことにより人種間の隔絶は大幅に減少した。その一方で、黒人と白人の間の学習到達度のギャップや雇用のギャップの縮小は限られたものだった」
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