PHILIP K. HOWARD
オバマはアメリカのインフラを整備する必要性を国民に訴えるためのキャンペーンをこの夏に行った。だが資金集めは大した問題ではない。道路、橋、電力、水道、港湾らの施設が老朽化している最大の要因は果てしなく続く規制当局によるレビューだ。
インフラストラクチャーの建設の認可はRegional Plan Associationによると10年以上掛かる。Savannah Riverの川底の泥などをさらい上げる作業の環境評価には完了するまでに14年掛かった。環境に僅かもしくはまったく影響を与えないプロジェクトであっても数年は掛かる。
オバマは2009年に83兆円もの予算を要求してインフラの改善を行うと約束した。その法案は議会を通過したが大したことは行われなかった。「すぐにでも建設に取り掛かれるプロジェクト」などというものはまったく存在していなかったからだ。よってこの刺激法案のお金は大部分が州の予算の穴埋めに回されることになった。
McKinseyの研究によると、新しいインフラの建設はアメリカの国際競争力を高め、むしろ環境を保護する。それにより200万人の雇用が生まれると試算されている。だが規制をどうにかしないことにはアメリカのインフラを更新することは不可能だ。規制当局によるレビューは自由な社会のためにあるべきであって麻痺させるためにあるのではない。
他の国は他のやり方を行っている。カナダは州と地方の水準で環境評価を行っている。だが最近になって大きなプロジェクトに対しては最大でも2年の完了期限が設けられた。ドイツは意思決定の権限を特定の州もしくは連邦機関に譲渡した。今年建てられた北海の巨大な電力施設の建設の承認に掛かった時間は20か月だった。来年開設する予定になっているライプツィヒの都市トンネルの承認に掛かった時間は18か月だった。終わりのない規制から抜け出す最終的な判断に数年も掛かる国は他にない。
対照的にアメリカでは、連邦政府、州政府、地方政府による参加自由でルールのない論争を行っているようだ。参加していた全員が疲労困憊になった後で裁判所が誰に責任の所在があるのかを判断する。その影響は単に承認の遅れに留まるのではなく意思決定が共通の利益のためではなく声の大きな少数の利益団体のためへと歪められてしまう。これは民主主義の機能の仕方としては適切ではない。
現在の環境評価は、Bayonne Bridgeの場合ではCoast Guardのように、主導機関によって行われる。それは大抵はプロジェクトの提唱機関であってそれ故信頼されていない。法律上の精査の対象にあり途方も無い証明責任が要求されるので、主導機関によるアプローチは混乱状態に陥り、しばしば数千ページもの長さの取るに足らない内容が書かれた環境保護団体による訴訟が待ち受けていることがある。
必要とされているのはどのぐらいの環境評価があれば十分なのかを決定する独立した機関だ。Bayonne Bridgeのように既存のインフラに変更を加えるだけのプロジェクトは現在のように5000ページ以上ではなく恐らく数ページで環境評価が終了するだろう。十分な時に十分だと言う独立した機関があれば、どうでもいいようなことを信じられない程長い時間を掛けて妨害行動に走るような動機もなくなりスムーズな意思決定が行われるようになるだろう(その意図がばれたらその機関の設立にものすごい反対運動が起こりそうな気もするが)。環境法の基本原則に従っていない場合にはその環境評価の範囲に反対の異を唱えることは出来る。だがその訴えは10年以上もレビューされたものではなく1年程度のものに留めるべきだ。
ドイツでは、地方のプロジェクトは(国家的要素があろうとも)地方の機関が決定を下す。そして全国的なプロジェクトは国の機関が決定を下す(地方に懸念が寄せられていたとしても)。この方法はすでにアメリカでも行われている。州間に跨る新しいパイプラインの建設はFederal Energy Regulatory Commissionの管轄下にある。
特別利益団体、特に何もかもを止めてしまうだけの力を持った集団は、権力者が信頼を悪用すると大衆の恐怖を煽ってこの動きを阻止しようとするだろう。だが誰かに責任を負わせることは信頼を必要としない。私は誰も引用していない。だが民主的な責任と法の監視のシステムと共存することが出来る。我々が共存できないのは終わりのないレビューの繰り返しだ。我々はこのプロセスをやめさせる必要がある。
Rob Wight Nov 25, 2013
私たちは数年前にミネソタの北部に数個の山小屋を建設した。私たちは湿地帯から80フィートの砂利を敷き詰めた遊歩道を建設するのに郡、州、Army Corpsからの承認を得なければならなかった。Army Corpはそこに橋を掛けることを要求した。そのプロセスには2年掛かった。それには湿地帯に関する3つの異なる権利が関わっていた。私の妻は堤防に関してニューオリンズが問題を抱えていると示唆していた。恐らくそれが彼らの注意を私たちの遊歩道から逸らさせたのだろう。
私たちの街は景気刺激法案のお金を駅前の駐車場を拡張するのに使用した。記憶が確かであれば、その承認プロセスには16の異なる機関が含まれていたように思う。そして36の異なる書類がすべて記載されなければならなかった。
Justin Murray Nov 24, 2013
彼らに一時間だけ与えて、彼らがそれに反対する確固たる理由を提示できなかった場合には、そのプロジェクトは承認されたということにすればいい。
このレビューを効率的にしてしまったら、役に立たない政府の職員たちは一体何をすればいいと言うのか?
ROBERT CABRERA Nov 24, 2013
この喜劇は地方でも行われている。
リモデル、古くなったテナントの廃棄には長く、ストレスが掛かり、経済に悪影響を与え、ひいては規制を行っている規制当局自体の給料を引き下げる建設認可が必要とされる。
JP Koch Nov 24, 2013
私の街では、北への州間ハイウェイから南の州の高速道路とを結ぶバイパスが建てられていた。10マイルを拡張するのに10年は掛かった。南側の脚の部分はこの夏に完成したばかりだ。だが郡と州の高速道路の建設業者はコンクリートが腐食した北側の脚の部分を修理するために500億円が必要だろうと先月語っていた…
L Stevens Nov 24, 2013
地震があった後のサンフランシスコの橋の半分を補修するために24年の承認を必要とするというのは規制の恐怖を物語る象徴的な例だろう。
この病気のことを「regulosclerosis」と呼ぼう。
William Sweeney Nov 24, 2013
ここリッチモンドでは大衆公園の小川を流れる木製の20フィートほどの小さな橋を再建するのに調査して、レポートを書いて、ミーティングを行って、承認を得るなどをするのに1000万円以上のお金と5年が掛かる。
William Mckee Nov 23, 2013
EPA(アメリカ環境保護局)による一切の妥協のない、「開発を何が何でも阻止したい」アプローチは我らがミット・ロムニーによって問題に挙げられた。当時、彼はこのアプローチを止めさせたいと語っていた(当然メディアからは袋叩きにされた)。規制当局の仕事は開発業者が環境にやさしい形でプロジェクトを行う手助けをするべきであって、止めさせることではないと語っていた。その時、私は愚かにもロムニーが選挙で勝利した白昼夢を見てしまった。
Mike O'Hagan Nov 23, 2013
Mr. Howardの近所に石油精製所を建設する案に1票を投じる。彼の子供や孫達がルイジアナやテキサス、ワイオミングと同じ大気の質に曝されるように。彼の近所に橋を建設して彼の財産を土地収用権で没収しよう。彼の家の下に欠陥溶接で固めたパイプラインを建設しよう。これらすべての素晴らしいプロジェクトに連邦政府、州政府、地方政府のレビューをすべてスキップさせよう。そうすれば彼の論調も変わるだろう。
誰も必要な規制を廃止しようとは提案していない。今話題になっているのは包括的で重複をなくした一つの機関の下に連邦政府、州政府、地方政府の規制を統合しようという話だ。
鳥たちを虐殺している風力発電がどうやってその厳格なレビューを通ったというのか?
William Mckee Nov 23, 2013
Mike、普通の感覚に則った合理的な規制ではないから批判されている。やりすぎ、無駄が多すぎ、コストが掛かり過ぎ、過剰な規制だ。
TIMOTHY HOPKINS Nov 23, 2013
ニューヨーク州とEPA、カナダはニューヨークのBuffaloとカナダのFort Erieとを結ぶPeace Bridgeを再建するのに20年間も言い争いを続けている。数えきれない程の橋のデザインが(大気汚染とかではなく)空気の質への懸念から鳥が下や上部を通過するのではなく建物に飛び込んでくるのではないかという懸念に至るまでありとあらゆる理由で却下された。橋に突撃することを避けられない鳥は絶滅の危機に瀕しているだろう。
だがそのEPAが絶滅危惧種を含む数十万の鳥たちと大量のコウモリを1年間に殺害している風力発電にはOKなのか?
Jay Campbell Nov 23, 2013
そのような常識的な改革は行われることがない。政府の職員は彼らの仕事を保証する規制に大きく依存している。彼らやこの国の環境保護を名目にした寄生者は進歩を阻害するためであればどのようなことでも平然と行う。オバマの側近やその仲間たちのような寄生者たちは自分のためにこのような吸血行為を行っている。
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