2016年7月12日火曜日

Some Economics for Martin Luther King Jr. Day

Timothy Taylor

1983年の11月2日にレーガン大統領はマーティン・ルーサー・キング牧師の誕生日を祝日とすることに決定した。その法案を通過させるとき、「このような祝日は人種間の平等に思いを馳せる時となるべきだ」と議会は語っている。人種間の平等というテーマに経済学はそぐわないかもしれないが、ここにこの祝日に関連した4つの経済学の概念がある。

1)人種間と性別間の格差は社会全体に経済的なコストを生み出す。

半世紀前まで、アメリカでは白人が技能を要求される職業を支配し女性とマイノリティを見掛けることはほとんどなかった。例えば、医者や弁護士の95%は白人だった。この状況は社会のタレントの配分としては明白に偏っていた。従って、他の集団がより平等に参加してくれば経済成長が促進されるだろうことが予想される。Pete Klenowは、「The Allocation of Talent and U.S. Economic Growth」にてそれを計算している。

ここに、アメリカにおいて機会の平等が大きく促進されたことを示す表が彼によって作成されている。1960年とは異なり、白人男性はマネージャー、医者、弁護士の85%を最早占めていない。技能を必要とする職業とはこの表では「弁護士、医者、技術者、科学者、建築家、数学者、企業経営者/管理者として定義されている。これらの職業で働いている白人男性の割合は25%ほど増加した。だがこれらの職業で働いている白人女性の割合は3倍以上になった。黒人男性は4倍以上、黒人女性に至っては8倍以上に増加している。


その上に、これらの職業の賃金格差も縮小している。「同期間に、これらの職業で賃金格差は縮小した。1960年には白人男性と同一の職業で働いていた白人女性の賃金はそれより58%少なかったが、2008年には26%少ないだけになっていた。1960年のそれらの職業の黒人男性の賃金は白人男性よりも38%少なかったが、2008年にはそれが15%にまで縮小している。黒人女性は1960年には88%少なかったのが、2008年には31%にまで縮小している。

この変化の原因に関しては多くの要因が挙げられてきたが、ここでは経済成長に与える影響だけに話を限定したいと思う。簡単な計算のために、Klenowは幾つかの仮定を組み込んだモデルを構築した。「各個人は一般的な技能(すべての職業に共通)と各職業に固有の技能(そして職業間で独立)を持つ。すべての集団(男性、女性、黒人、白人)はまったく等しい技能の分布を持つ。若年世代の各個人はそれぞれの職業でどの程度の差別に直面するか、その結果として受け取る賃金を予め知っているものとする。若年世代では、人々は職業を選択しそれぞれの職業に固有の人的資本に投資することによって自分たちの技能を補強するものとする」。

このフレームワークを用いて、Klenowは過去50年間のアメリカの経済成長が機会の平等によってもたらされたものなのかを調べようとした。

「過去50年間のアメリカの経済成長が、女性とアフリカ系アメリカ人が人的資本により投資するようになったこと、技能を必要とする職業でより働くようになったことによってどの程度説明できるのか?私たちの答えは15%から20%だ…白人男性は、その結果として賃金の5%ぐらいを失った。だがその損失は女性と黒人が得た賃金の増加によって飲み込まれた」。

少なくとも私にとっては、経済成長の6分の1から5分の1が機会の平等が増加したことに起因しているかもしれないというのは驚くべきことだ(他の国でも、女性の社会進出によって経済成長が同じぐらい増加したことを示したものはあったような)。まとめると、差別を減らすことは単に正義や公平さの問題ではない。経済を成長させることにもつながる。

(以下、省略)

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