2015年1月5日月曜日

アメリカの最高税率が91%だったというのは馬鹿な経済学者たちが流したプロパガンダだった?Part1

The Obsession with Nominal Tax Rates or the Twinkie Romanticism

by Christopher Balding

ある経済学者にとって、過去の税制を理想化することはドン・キホーテの挑戦のようになっている。例えばKrugmanは以下のように書いている。

現在の推計では、1960頃のアメリカの所得上位0.01%の実効税率は70%以上で、現在の税率の倍以上となっている。

1960から1963の最高税率は91%でその後60年代の終りまでは70%から77%だったので、この主張は奇妙だ。言い換えれば、Krugmanはこのグループがある年度では名目税率以上の実効税率を課せられていたと主張している。

所得上位1%の平均の実効税率を以下に示しておく。


このデータはよく理想化される91%の税率とはまったく異なる姿を示している。グラフで示してあるように、内国歳入庁のデータによると1966から1970の所得上位1%の実効税率は30.85%だ。問題にされている期間を通して、所得上位1%の実効税率が35%を超えたことは一度もない。

意見があるのであれば言ってほしい。

以下、コメント欄から

msmith on December 1, 2012 at 1:11 am said:

Balding教授、Krugmanの主張に対して真っ向から反論することは出来ないのですか?所得上位0.01%(所得上位1%ではなく)の実効税率はいくらですか?1960の実効税率(1966ではなく)はいくらですか?

The Man on December 1, 2012 at 4:54 am said:

それは2つの非常に単純な理由により出来ません。第一に、ここではIRSのPublic Use Fileというデータを用いています。これには1966以前のデータはありません。ですからそれ以前の税率を計算することが出来ません。やりたくないとかそういう理由ではなく単にデータがないからです。第二に、データの技術的詳細に立ち入ることなく簡単に説明すると、所得上位0.01%ではサンプルサイズが小さすぎて有用な数字が得られないと思ったからです。言い換えると、1%の1%の税率を計算するのに十分なデータが得られなかったということです。ようするに、あなた同様興味はあるのですが残念なことに直接的な比較はできなかったのです。

以下、marginal revolutionのコメント欄から

tt31 November 30, 2012 at 11:55 am

これを読んでいて少し混乱したんだけど、1)彼はKrugmanが0.01%と言っているのを1%と勘違いしたんじゃないのか?2)彼はKrugmanの元の引用にリンクしていないんじゃないか?彼はデータの用い方がおかしいと主張しているのかそれとも解釈がおかしいと主張しているのか?

Mark A. Sadowski December 1, 2012 at 1:48 pm

Krugmanは明らかにこの論文からデータを持ちだしている。

Piketty and Saezの推計では1960から1977の所得上位0.01%の実効税率は67.7%から75.0%となっている。同じ期間の所得上位1%の実効税率は43.4%から47.2%だ。

彼らの推計とIRSの推計でどうして違いが生じるのか?彼らの推計には個人税、法人税、給与税、遺産税が含まれている。だから主な違いは法人税だ。彼らはすべて譲渡所得に掛かると仮定している。法人税を除くとこの期間の所得上位1%の実効税率の平均は31.0%で1970に最も高く34.1%になっている。同様にこの期間の所得上位0.01%の実効税率の平均は48.0%で1970が最も高く55.3%になっている。

Christopher BaldingにしてもTyler Cowenにしてもどうしてこれをやらなかったのか?彼らがこの分野に詳しくなかったからか、それともKrugmanをからかうことの方により関心があったからか?

(補足)tt31氏のコメントは単に誤解で、Mark A. Sadowskiの挙げているPiketty and Saezは強く批判されている

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