Mark J. Perry
上の図は1967年から2009年のセンサスの「Money Income of Families–Percent Distribution by Income Level, in Constant (2009) Dollars」に基いている。この図はa)所得250万円以下、b)所得250万円から所得750万円、c)所得750万円以上で分類されている。
この図とこの記事を書こうと思ったのは、中間層の所得が減少しているという神話に関して今朝書いた記事に対するKenのコメントが興味深かったからだ。彼は、中間層が「消滅している」ように一見見えるのは中間層が実際に「消滅している」のではなく上流階級へと移動しているからであって頻繁に主張されているような低所得層へと転落しているからではないということをセンサスの表696は示していると指摘している。
1. 1967年では、アメリカの家庭のほぼ62%が250万円から750万円に分布していた。750万円を超えていた家庭は6分の1以下(16.3%)で、250万円以下の家庭は22%だった。中間層と上流階級の割合はほぼ4対1だった。そして、中間層と低所得層の割合はほぼ3対1だった。だから、250万円から750万円の所得の家庭は明らかにアメリカの家庭のかなりの割合を占めていた。
ここから、それがどのように推移していったのかを見てみる。
2. 低所得層の割合は1967年の22%から2009年の17.8%へと4.2%減少していった。同じ期間に、中間層の割合は1969年の61.8%から2009年の43.2%へと18.6%も低下した。それではその42年の間に低所得層と中間層から消えた22.8%の家庭はどこに消えたのだろうか?彼らは、1967年の16.3%から2009年の39.1%へと22.8%ポイント増加した上流階級へと「消えた」。1967年には「中間層」が圧倒的に多かったので「上流階級」との比率は4対1であったが、あまりにも多くのアメリカの家庭が「上流階級」に移動してしまったので現在ではこの比率はほぼ1対1になってしまった。
言い換えると、アメリカの「中間層」は1970年代に消え始めた。だがそれはより高い所得に移動したためであって低い所得に移動したためではない。そしてその動きがあまりに活発であったために、750万円以上の所得の割合は16.3%から39.1%へと2倍以上になった。前の記事で、Kenは「Paul Krugmanなどは中間層が1970年代以降減少し続けていると主張しているが、その主張は信じられないほどにそして簡単に立証できるように間違いだ」とコメントしている。彼の方が完全に正しいのだろう。
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