2015年8月12日水曜日

格差研究の専門家の集まりにリベラル派のブロガー(自称専門家)が乗り込んで討論を挑んだその結果 Part6

Additional Reflections

Richard Burkhauser

Mark Thomaの最後の投稿から1980年代以降アメリカの所得格差が拡大していることを見出すことは困難というReynolds、Burtless、Burkhauserのコンセンサスに彼は向かっているように思われる。口に出しては言わないものの以前の景気循環期(1979から1989)よりも直近の景気循環期(1989から2000)で経済成長による所得の増加がより均等であるという私の意見に彼が向かっているのも明らかなように思われる。

Thomaは、所得格差の代替的な指標を用いそして所得上位に関してデータが制約されている状況から所得分布全体の形状に関して特定の仮定を行うことにより不完全なデータから所得分布全体の情報を抽出するのに苦労している論文を引用している。彼は所得分布の上位での外れ値によりそのような影響が発生すると記している。従って彼は風がどちらの方に吹いているのかを知るには時々は気象予報士(または少なくとも彼らのうちの幾人かの言うことを注意深く聞く必要がある)を必要とするということにようやく気が付いたように思われる(歌の歌詞をもじった強烈な皮肉)。

だがこの所得分布の上位(所得上位1%または2%)をどのように把握するかの研究は未だに途上にあるということに同意するのではなく彼はそれまでの文脈から突然離れて、「研究者がこれらを注意深く行い証拠を客観的に評価した時には、幾つかの例外を除いて、所得格差が近年に拡大していると彼らは結論している」と非常に摩訶不思議で非論理的な結論に飛びついてしまう。

Thomaが引用した論文にはそのようなことは書かれていない。むしろその論文では彼がしたような解釈をすることの難しさそして格差が拡大したという主張が所得分布の上位の外れ値に対して敏感であることが警告されている。その論文ではイギリスのデータが用いられているものの同様の問題はCPSのデータを用いても見られるであろうしこの討論で我々が議論してきた他のデータにも見られるかもしれないと私は思っている。それがCPSのデータを用いた所得格差の研究の大部分が外れ値の問題を避けるために「トリミング」またはトップコーディングに変更が行われなかったと仮定した場合のデータを用いる理由だ。所得上位の1%または2%がどうなっているかを知ることは難しい作業で何か確定的なことを言う前に為されるべきことであり続けている(その後のBurkhauserの動向は以前書いた通り)。

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