経済学者は所得上位1％のシェアが上昇することと格差が拡大することとは同じことだと勘違いをしていた？Part1

Significant Turnover in the Top 400 U.S. Earners; From 1992-2009, 85% Were in Just 1 or 2 Years

Mark J. Perry

IRS(内国歳入庁)は1992から2009の期間で最も所得の多かった400人に関する新しい報告書を作成している。そして上の表は｢幸福な400人｣が全期間に登場した頻度を示したものだ(IRSの報告書の表4)。1992から2009までの7200の納税申告書(400人×18年間)は3869人の異なる個人から構成されている。幾人かの納税者は所得上位400に一年(一回)以上入っているからだ。データは、

1.　1992から2009までの3869人の中で、2824人は｢幸福な400人｣のリストの中に18年の間でわずか1回しか入っていない。それら2824人は全体(3869人)の73％を占める。従って4人のうち1人または全体の27％だけが所得上位400の中に1992から2009の間に一度以上入っていることになる(上の表の列2と列3)。

2.　さらに、2824人は所得上位400に一度(73％)、他の458人(12％)は上位400に二度入っている。従って85％は｢幸福な400人｣に一度または二度入っていて、全体の15％だけが所得上位400の中に二度以上入っている。

3.　所得上位400に10年以上入っているのは87人(2.25％)しかいない。

4.　7200の納税申告書の中で2824は一度限りとなっている。平均で見て各年度の納税申告書の40％は｢幸福な400人｣の中に他の17年間では一度も入っていない納税者で占められていることになる。そして7200の中で半分以上(3740または52％)は17年間に一度か二度しか入っていない納税者で占められている。

IRSによると、｢データは納税者が時間の経過とともに大幅に入れ替わっていることを示している。事実、18年間で3869人の異なる納税者がいる。その中で、27％だけが一度以上リスト入りしている。そして2％だけが10度以上リスト入りしている｣。

高額所得者や所得上位X％または納税上位400に関して聞かされる時には、それらの話をしている人間はそれらが静的で閉じていて入れ替わりのほとんどない私的なクラブかのように思い描いている。一度その中に入ったならばその中に何十年もとどまり続けていると思い込んでいる。

だが現実はまったく異なる。人々は異なる所得分位の間を行ったり来たりする。所得の上位や下位は決して同じ人ではない。そこには入れ替わりがあるからだ。新しいIRSのデータが示しているように、過去18年間の｢幸福な400人｣の4人のうち3人以上はそのリストの中にたった1年しか入っていない。