2016年1月18日月曜日

(金融)規制は大きく緩和されたと故意に偽り続けていた馬鹿な経済学者に大量の人が騙された?Part3

Correcting a Leverage Myth about ‘Capitalist Fools’

Peter J. Wallison

ニューヨーク・タイムズの2008の10月3日の記事でSteve Labaton記者はSECが5つの大手投資銀行(Bear Stearns, Lehman Brothers, Morgan Stanley, Merrill Lynch, and Goldman Sachs)がレバレッジを33倍に引き上げることを可能にする規制を採用したと主張した。その記事では2004の4月に採用されたSECの「新資本」規制の改訂をSECが自由化の方向に向かっていたことの証拠と主張されていた。「その規制が緩和されて以降」、「各銀行は緩和された規制から利益を得ることが出来るようになった」と彼は主張した。その記事(専門的な知識がまったくなくニューヨーク・タイムズの記事の正確性に頼るほかない多くの人に影響を与えた)は極めてミスリーディングなものとなっている。その犠牲者の一人がスティグリッツで2009の1月のVanity Fairに書いた記事でLabaton記者の誤りをそっくりそのまま繰り返している。これは事実を確認することが出来ない人々の間で繰り返し伝えられるうちに間違った話がどのようにして真実とされていくかの格好の例だろう。

SECの市場取引部門の責任者であるErik Sirriによる最近の演説を聞けばLabatonがSECによる2つの異なる改訂を乱雑に一括りにしていることがはっきりと分かる。2004の4月の規制の変更は5つの大手投資銀行の証券子会社にのみ影響するものでそしてそれら証券子会社に求められる「純資本」の最低基準額の計算方法に関係するものだ(この資本基準は証券会社に適用されるものでその親会社にではない)。Sirriが明確にしているように最低必要資本額も証券会社の純資本それ自体も規制の変更後も実質的な変化はなかった。

それらの親会社のレバレッジはそれとは完全に異なる話だ。2004にEUからの要請に従うために5つの大手投資銀行は自主的にSECの監督を受け入れた。5社のEUでの活動には母国の規制当局による統一された監督の下であることが求められたためだ。

その監督の一環としてSECは5社にバーゼル規制に適合しているか各社の自己資本比率を報告することを求めた。5社にレバレッジ比率を引き上げることを許可した等という改訂など存在しない。それ以前に、レバレッジ比率に関する懸念はもっと広い視点から見るべきだ。レバレッジ比率は債務と資本の比率それ以上でも以下でもない。レバレッジ比率33倍は、資産価値が大幅に低下する懸念がある場合にはリスキーで資産価値が低下する恐れがない場合にはリスキーではない。資産がアメリカ国債であればレバレッジ比率が35倍だとしても特にリスクがあるという訳ではない。アメリカ国債の価値が大きく低下する可能性は小さいだろうし資本の「クッション」がわずか3%だったとしてもリスクを大きく取っているという訳ではない。従って投資銀行のレバレッジが(Labatonによると)33倍だったとしても各社の資産が何であったかを知るまでは何も分からない。

だが投資銀行がリスクを取っていたと仮定してもSECがその役割を完全に放棄していたというLabatonの主張はデータから否定される。Federal Reserve Bank of BostonのEric Rosengrenは5つの大手投資銀行のレバレッジ比率が2003の22倍(SECが監督する前)から2007の31倍へと平均で見て上昇していると報告した。だが資産の質に関する知識なしには特に際立ったリスクテイキングの増加とは言えない。投資銀行は商業銀行ではないということを認識することも重要だ。彼らは政府によって保護されているわけではないばかりか(保護された)預金を受け付けているわけでもない。(親会社の)顧客の口座を保護するためその証券子会社には自己資本比率の規制が求められているが親会社自体にはリスクテイカーであることが期待されている。その理由により、SECはレバレッジ比率よりも流動性の方(契約が満了した時に債務を支払うことが出来る能力)により関心を持っていた。

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