Robert Rector
アメリカの国勢局は今年度の貧困調査を公表した。通説的な見方ではヨーロッパと比較してアメリカは福祉の規模が小さく貧困がはびこっているというものだった。だがリベラル派の経済学者Irwin Garfinkel, Lee Rainwater, and Timothy Smeedingが「Wealth and Welfare States: Is America a Laggard or Leader?」という本でそのような単純な考えを破壊した。
中間層の高齢のアメリカ人は同じく中間層の高齢のヨーロッパ人よりも民間の年金に多く加入している。アメリカでは中間層は親が子供の教育費を払う。ヨーロッパでは中間層でも政府が払う。全体的に、ヨーロッパでは中間層より所得が上であっても政府の給付に大きく依存している。アメリカでは、中間層や中間層より所得が上であれば自分たちで払う。
だが民間部門を考慮から除外したとしても、アメリカの福祉の規模は非常に大きい。実際、アメリカの一人あたり政府社会福祉支出の規模は先進国で3番目に大きい。これは、アメリカの政府支出が低所得者と高齢者をより積極的にターゲットにしていることを考えるとさらに衝撃的だ。
民間部門まで考慮すると、アメリカの社会福祉支出は他の国を圧倒する。事実、アメリカの一人あたり社会福祉支出はヨーロッパの平均の2倍近くにも相当する。彼らが結論しているように、
「アメリカの福祉の規模が小さいと思っている人間にはこのデータは衝撃的だろう。そしてウェイクアップコールとなるだろう。医療福祉と教育福祉が考慮に加えられると、アメリカの一人あたり社会福祉支出は他のほぼすべての国よりも大きい!」
この支出のどれぐらいが低所得者に届けられているのか?左翼はアメリカの貧困率が他のヨーロッパの国々よりも高いと頻繁に主張している。それらの主張は「相対的貧困率」という指標によるものだ。そこでは「貧困」とは所得の中央値の50%を下回ることによって定義されている。アメリカの所得の中央値がヨーロッパの国々よりも遥かに高いので、その指標は他の国々に比べてアメリカで「貧困」から抜け出すハードルを高く設定している。
(以下、省略)
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