2016年12月25日日曜日

ヨーロッパは恥を知らないのか?

EUROPE’S GLARING HYPOCRISY ON TERROR AND ISRAEL

P. David Hornik

ヨーロッパは現在テロの大洪水に襲われている。イスラエルはヨーロッパの政府や人々に同情を示し最もテロの被害にあった国々、フランス、ドイツ、ベルギーに援助を申し入れている。

だが、イスラエルがテロに襲われた時には様子が異なるようだ。第二インティファーダと呼ばれる虐殺が5年にわたった時も(2000年~2005年)、ヨーロッパはイスラエルに極めて批判的でイスラエルが起こしたテロを防ごうとする手段すべてを戦争犯罪だとして糾弾した。

この対比はイスラエルが受けた被害の規模を考えるとさらに衝撃的だろう。2015年1月7日のCharlie Hebdoでのテロ以降、フランスでは239人が殺害された(フランスの人口は6700万人)。ベルギーでは32人が殺害された(人口は1100万人)。2015年の9月15日以降、ドイツでは15人が殺害された(人口は8200万人)。

だがイスラエルでは1000人が殺害されている(現在の人口は850万人で当時はもっと少なかった。その上、この数字にはイスラエルに住むアラブ人も含まれている)。2015年以降フランスが受けてきたテロの被害率よりもさらに高い。

イスラエルがテロの被害にあっている間に、そしてそれ以降も、ヨーロッパはイスラエルに対して冷淡だった。

そして皮肉なことに、イスラエルが取った対策は、そしてこれらはヨーロッパが最も強烈に非難していたものなのだが、現在ではヨーロッパの国々によって当たり前のように用いられている。もちろん、イスラエルからも誰からも非難されることなく。

例えば、テロリストをターゲットとした殺害が世界中を激怒させた時がかつてはあった、イスラエルが行った時にはだが。2004年の4月17日に、イスラエルの空爆がハマスのテロマスターAbdel Aziz al-Rantisiを殺害した。

世界中からの非難が洪水のようにイスラエルに押し寄せた。当時のEUの外交政策担当Javier Solanaから、イタリアの外相Franco Frattini、イギリスの外相Jack Strawに至るまでがイスラエルを非難した。当時のイギリスはこのように語っている。「イギリス政府はこの手の所謂「ターゲットを限定した殺害」は違法であり正義に反しており反生産的だと繰り返し警告している」。アメリカの拒否権だけが国連からイスラエルを救った。

もちろん現在では、ヨーロッパの国々によるテロリストに対するドローン攻撃は日課のように行われており人々は(イスラエルに激怒していたこともすっかり忘れて)天気予報の方を遥かに気にするようになっている。2015年の11月26日に、デイリー・メールは「イギリスのドローン攻撃が昨年だけで305人の標的を殺害した」と記事にしている。

セカンド・インティファーダの時でさえも、イスラエルは自爆テロリストや普通のテロリストの侵入を防ぐためフェンスを建設するという防衛的な手段を採用した。このフェンスも猛烈な非難に晒された。

2004年の7月9日に、ハーグの国際裁判所はこのフェンスを違法だと呼び解体するようにとの意見書を提出した。

国際裁判所の15の関係国のうちで、アメリカだけがそれに反対した。ヨーロッパの5つのすべての国々、イギリス、フランス、ドイツ、オランダ、スロバキアはそれに賛成した。

その12年後の2016年1月7日に、イギリスのThe Economistは「ヨーロッパはその国境線上に、冷戦時代よりも多くの物理的障壁を築くことになるだろう」と記事にしている。現在だけでもすでにハンガリー、スウェーデン、ギリシャ、そしてブルガリアがムスリムの移民を締め出すためのフェンスを建設している。もちろん、国際裁判所からもイスラエルからも非難は行われていない。

イスラエルの検問所でさえも人権団体は猛烈に攻撃した。本当に通行したいだけのパレスチナ人にとっては不便だったというのはそれはそうだ。だがそれが必要とされたのはテロリストを締め出して危険な攻撃を防ぐためだった。

だと言うのに、「ヨーロッパ連合、フランス、そして中東の平和大使トニー・ブレアはヨルダン川西岸とガザでの検問所を経済回復を妨げているとして非難した」と2008年7月9日にHaaretzは伝えている。

百歩譲ってイスラエルの対策が本当に経済にダメージを与えていたとしても、どうして彼らがそこに検問所を設置したのかには極めて深刻な理由があったということはすべての関係者にとって明らかであるべきことだったはずだ。だがそのような事情が考慮された痕跡は一切なかった。

その7年後には、長年の間イスラエルを最も痛烈に批判してきたフランスが、テロに対して厳重な検問所を設置することで対応した。テレグラフは「ヨーロッパのフリー・トラベル・ゾーンの将来は危機に晒されている」と記事にした。

今ではテロの攻撃の対象がイスラエルからヨーロッパに移っているとはいえ、イスラエルの状況が不安定なのは変わっていない。シナイ半島にいるISIS、ハマス、Islamic Jihad、ガザのその他のテロリスト集団、レバノンのヒズボラ、スンニ派のテロ集団とヒズボラとの連合、シリアにいるイランのテロリストたち、イスラエルとテロリストたちとの武力衝突がいつ再開されても不思議ではない。

その時になったら、イスラエルは猛烈な非難ではなくヨーロッパからの支持と援助を受けることができると思うだろうか?

凄まじい愚か者だけがそのように考えるだろう。

以下、アメリカ人のコメント

ShalomFreedman • 3 months ago

これは非常に重要な指摘で、すべてのヨーロッパの政策当局者に読ませるべきだ。イスラエルの自衛手段を長年非難してきた彼らの行いの卑劣さは公平な人間には自明のことであるべきだった。

c0mm0ncenz  ShalomFreedman • 3 months ago

愚か者だけが、これらの行動を見ても世界中がユダヤとイスラエルを嫌っていると結論することを拒否するだろう。彼らがユダヤとイスラエルに向けてきた憎悪はイスラム主義者を通してヨーロッパに戻っていっている。彼らは自らを非難することしかできない。取り残されたユダヤ人を救出することだけは例外として、イスラエルはヨーロッパの惨状からは距離を取っているべきだ。

NYgal • 3 months ago

テロの被害が伝えられる時、イスラエルに対するテロだけは必ずのように除外される。ヨーロッパ人はイスラエルに対するテロをヨーロッパに対するテロと同じに扱うことを拒絶する。彼らは嘘の情報を拡散し続け、私たちはずっとそれを受け入れてきた。

Fromafar  NYgal • 3 months ago

ヨーロッパ人はイスラエルに対する対する攻撃をテロだなどとは考えていない。

彼らはイスラエルのジハーディストたちを「自由の闘士」だと考えている。

そういうわけで、彼らの倫理が破綻した心には私たちには見えている物が見えていない。

ヨーロッパからの支援など期待するべきではない。ヒラリー・クリントンが女帝として君臨すればアメリカからの支援も期待するべきではない。

ロシア人は第二次世界大戦後に1200万人の人々を追い出した。それに対して国際社会は一言も文句を言わなかった。

ahad_ha_amoratsim  StanleyTee • 3 months ago

ヨーロッパ人はユダヤ人を数に入れていないんじゃない。彼らはユダヤ人は全員殺されるべきだと考えている。彼らは1000年以上もそのように考えそれは少しも変わっていない。唯一変わったのは、それに対する言い訳だけだ。

Hard Little Machine • 3 months ago

これが、ヨーロッパがテロの猛威に晒されてもまったく同情する気になれない理由でもある。

s. bar  Hard Little Machine • 3 months ago

すべての面から見て、ヨーロッパにはテロがお似合いだろう。

ahad_ha_amoratsim • 3 months ago

少しは希望もあるみたいだ。フランス人はイスラエルから学ぶべきだということに気づくべきだとフランスの閣僚が語ったらしい。http://www.israelnationalnews.COM/News/News.aspx/215626

Joe The Gentile • 3 months ago

イスラムに対して現実的になることで自分はイスラエルに対して非常に同情的になった。従って、この記事の最後のイスラエルにとって残酷な結論が正しいのかどうか自分には分からない。

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