JIMMY CARTER AND THE POLITICS OF APOLOGY – BY JACOB LAKSIN
Jacob Laksin
ジミー・カーターはイスラエルとパレスチナの紛争では常にイスラエルを非難してきた。この前大統領はハマスを擁護しパレスチナのジハーディストたちをイスラエルによる抑圧と戦っている被害者だとずっっと主張してきた。今度はイスラエルがカーターの浅ましい打算から利益を得る順番が回ってきたようだ。
世界中でイスラエルを悪魔のように糾弾してきた後で、カーターはとうとう自らのやり方が誤りであることに気が付いたようだ。先週、彼はイスラエルのイメージを悪化させ続けたことに対して自分が果たした役割を謝罪し伝統的なユダヤの礼拝堂で許しを求めたことをユダヤ人のコミュニティに向けて声明で発表した。
「入植地政策に反対していたとはいえ、イスラエルという国家に汚名を着せたいと思ったこともその意図もまったくなかった」とカーターは語った。そしてさらに、「困難な状況に置かれているにも関わらず、イスラエルが成し遂げたことを私たちは認めなければならない」とも語り、「イスラエルを糾弾したいがための非難を許してはならない」とも付け加えた。
まったく関係のない話ではあるが、カータの孫、34歳のアトランタの弁護士ジェイソン・カーターが、投票においてはそれなりに影響力を持つユダヤ人人口を抱えるジョージア州の郊外のコミュニティで選挙戦を戦っている。
長年反イスラエルプロパガンダをばらまいてきた彼の転向が見え透いたご都合主義にしか見えないと思うのであれば、そのとおりだろう。結局は、この男は2007年に「Palestine: Peace Not Apartheid」という本を出版して、民主的なイスラエルを南アフリカの人種差別政権と同じだと糾弾した男だ。この本の筆者は今では誇張しすぎたと反省し、その本の扇動的なタイトルを後悔していると懺悔している。カーターは今でもイスラエルの入植には反対しているが、パレスチナ人が実際には人種差別には苦しんでいないということは認めたようだ。
イスラエルの支持者から見れば、そのような懺悔は当然のものだと思われるだろうがそれでもこれを歓迎すべきだ。だがカーターの懺悔が、イスラエルの評判を貶めるキャンペーンを行ったことに対するダメージを取り消そうとの本当の良心に基づくものであるかは分からない。言うまでもなく、彼の孫がユダヤ人の政治家David Adelmanが抜けた穴を埋める(彼はオバマによってシンガポール大使に指名された)ための選挙をユダヤ人を多く抱える選挙区で戦っている最中の懺悔とはタイミングが良すぎる。そのような状況で、世界でユダヤ国家を最も声高に非難してきた1人である彼を祖父に持つことはとてもではないがアピールできるポイントではないだろう。
ご都合主義がすべてではないとしても、彼の本心は未だに疑わしいままだ。彼の後悔をユダヤ人のコミュニティに伝えたほんの数日前に、カーターは誤りだったと言っているはずの反イスラエルの数多くの中傷エピソードをロンドンのガーディアンに寄稿している。
中東の和平協議の再開のためと称して、カーターはアラブ側の無茶な言い分(和平協議に参加するためだけの条件としてテロリストを全員釈放しろ)は擁護してパレスチナのテロリズムを正当化しイスラエルとその指導者を過去の和平協議の失敗の原因だとして非難している。パレスチナには一切の責任を負わせないでだ。
同じぐらい嘆かわしいのは対立の背景に関するカーターの一方的で選択的な説明だろう。昨年のガザ紛争でのパレスチナ人の苦しみを嘆く一方で、カーターはイスラエルの都市と村が8年に渡って継続的にロケットによる攻撃を受けていたことは一度も言及しない。カーターはイスラエルがセメントのような建築素材がガザに搬入されるのを阻止していると非難しているが、イスラエルが制限付きで搬入を許可していること、そしてそもそもどうしてイスラエルが搬入に制限を加えているのかということには言及しない。建築素材はテロリストによってロケットと砦を作るのに利用される。カーターはイスラエルがパレスチナの学校と病院をガザ紛争時に「高精度ミサイル」で破壊したと非難しているが、それらの施設はテロリストによって利用されているという重要な事実に言及することも避けている。
だがイスラエルに対するさらなる非難決議をという提案ほど、彼の本性を表しているものはないだろう。それこそが、カーターが拒絶すると言っていた、イスラエルに汚名を着せる最たる行為の一つだと言うのに。
不公平にイスラエルだけを非難するというのはカーターの最大の罪ではない。最近のレポートも示しているように、結局は国連もそれを行っている。より有害なのは、前大統領がハマスのテロリストと長年に渡って交流を続けているという事実だ。
カーターはそのことを隠そうともしていない。パレスチナへの旅行の最中に、これまで通りカーターはハマスの言い分を繰り返し広報し続けた。イスラエルさえ敵意を向けるのを止めればハマスは停戦を受け入れ武器を下ろすのにという言い分を。イスラエル兵士を攻撃し誘拐するためハマスが建設したトンネルネットワークは「防衛の目的」だと主張した時に、カーターの評価は単に騙されやすい人から有害で危険な人間へとまで墜落した。
アメリカとヨーロッパがハマスをテロリストだと認定していることは、彼のジハーディストたちに対する熱狂を冷まさせることはなかった。2006年の1月に、カーターはテロリズムへの資金とハマスへのマネーロンダリングを禁止する法律を人道援助の一環として国際社会に無視するように呼び掛けた。ハマスの指導者たち自身でさえもが、和平は彼らが最も欲していないものだということをカーターに説得させることはできなかった。国外追放されているハマスの指導者Khaled Meshalは自爆テロへの支持を一度も隠したことがないし、イスラエルを破壊することがパレスチナの人々の「運命」だと呼び掛け続けている。そのような事実が、2008年に彼に親しげに和平交渉を持ちかけようとするカーターの目を覚まさせることもなかった。
もしカーターが本当に謝罪したいと思っているのであれば、数千人のイスラエル人を殺害し、パレスチナ人を暴力へと走らせ、この地域で意図的に政治的対立を生み出し、現在まで和平合意の如何なる希望も粉砕し続けているテロリスト集団の主張を広報してきた自らの過去を断罪したい気持ちに駆られるだろう。カーターが未だに自分の最後の役割と主張している和平合意の実現のためには、矛盾し動機が見え透いた謝罪以上のものを必要としている。
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