2016年12月25日日曜日

バラク・オバマ「和平交渉に参加したいならばテロリストを全員釈放しろ」

ENDING THE PALESTINIAN EXCEPTION

Caroline Glick

ルドルフ・ジュリアーニ前NY市長はIsraeli American Councilの会合で演説を行った。4日間の綿密な準備を行っていた彼は、アメリカは「パレスチナ国家樹立による解決策という考え自体を捨て去る」時だと主張している。

誰が大統領になったとしても、彼の発言が政府の新しい方針になってくれればと願わずにはいられない。

パレスチナ自治政府のアッバス議長はイスラエルとの和平になど少しも関心を持っていないことを国連の前で明らかにした。彼が関心を持っているのはイスラエルを破壊することだ。だがその中でもある一つの要求が特に目を引いた。

目を引いたのはそれが目新しかったからではない。それが新しいものではなかったからだ。

アッバスはそのことをずっと前から言っている。そして彼の助言者もずっと前から言っている。彼らはそのことをパレスチナ人の前で言い、国際社会の前でも言っている。そしていつも熱烈な支持、もしくは少なくとも同情を買っていた。

アッバスはイスラエルにテロリストを逮捕するなと要求した。そしてすべてのテロリストを刑務所から釈放するようにと要求した。要するに、アッバスは有罪判決を受けた数千人のテロリストを自由に歩かせ、テロの計画から実行まですべて好きにさせるようにと要求した。

パレスチナ人の圧倒的大多数はこの要求を支持した。アメリカ政府もこれを支持した。

ケリー長官が主導して失敗に終わった2013年から2014年の和平交渉の間に、交渉に参加する事前の条件としてイスラエルは104人のテロリストを釈放せよとのアッバスの要求をオバマとケリーは称賛した。

イスラエルはアメリカの圧力に押されて78人のテロリストを刑務所から3回に分けて釈放した。4回目の釈放の前に、アッバスとその助言者たちは彼らが釈放されるのを見届けたらイスラエルとの対話を一方的に打ち切ると宣言した(ちなみに、この時釈放されたテロリストはさっそくテロを実行した)。

要するに、彼らが言うところの交渉はテロリストを釈放させるための手段でしかなかったことを自分たち自身で認めた。

オバマとケリーはアッバスたちを非難するのではなく約束をきちんと果たさなかったとしてイスラエルを非難した。対話を打ち切るとのアッバスたちの宣言に対してイスラエルが最後の26人のテロリストの釈放を拒否すると、オバマとケリーは交渉の条件を破ったとしてイスラエルを糾弾した。

オバマとケリー、そしてその助言者たちは和平交渉の失敗をイスラエルになすりつけた。

テロリストを開放せよとのアッバスの要求は彼がどんな人間なのかをよく物語っている。そしてアッバスの要求をパレスチナ人の圧倒的大多数が支持したという事実も見逃すことができない。

そしてアッバスの要求を支持したオバマとケリーの戦略的正統性、そしてその倫理観にも非常に強い疑念を抱かせる。

彼らが行っているパレスチナ国民運動とは深く根ざした開放への思いなどというものでは一度もなかった。「パレスチナ国家」を建設するというものでも決してなかった。

1920年にAmin el-Husseiniによって生み出されて以降、パレスチナ人のアイデンティティとはシオニズムを破壊することでしかなかった。そして1948年にイスラエルが独立したのでパレスチナ人は自らをユダヤ国家を破壊するための存在と定義した。

フセイニの後継者アラファトはテロリズムはパレスチナ運動の最終目的、すなわちイスラエルの地球上からの抹殺を達成するための手段であり目的であるとする彼の考えを共有していた。

フセイニとアラファトの後継者であり、パートナーでもありライバルでもあるハマスと同様に、アッバスも国家の建設などに少しも興味を持たなかった。

「パレスチナ経済」と曖昧にされているもののことを考えてみよう。

経済学者のUri Redlerはパレスチナ経済と呼ばれているものは実際には経済と呼べるものではないことをヘブライ語の記事で示している。

彼は世銀のデータを用いてパレスチナの経済が幻想であることを示した。22年間の存在期間に、パレスチナ自治政府はジュデア、サマリア、ガザの民間部門をほぼ完全に破壊した。その税収の75%はイスラエルからのものだ。予算の40%は外国からの寄付により成り立っている。税収のわずか18%だけがパレスチナ人に対する税によって集められたものだ。そしてその税収の大部分もパレスチナ自治政府の職員への源泉徴収から生じている。

2014年のOperation Protective Edgeが開始されて以降、外国からの支援金のわずか15%しかガザの再建計画に使用されていない。残りの支援金はハマスが自由に使えるお金として用いられた。その資金の70%はアメリカとヨーロッパからのものだ。アメリカとヨーロッパは直接的にハマスのテロリストに資金援助を行ったことになる。

資金が悪用されたことは驚きではない。

ハマスによって悪用されると知っていながら、アメリカとヨーロッパが資金を援助し続けることも驚くには当たらない。

ファタハと同様ハマスもパレスチナの経済を発展させることには少しも関心がない。経済発展では彼らにお金が回ってこない。テロリズムが彼らを潤す。経済的自由を得たパレスチナ人は生活のためにファタハやハマスを必要としなくなるだろう。だから彼らはありとあらゆる手段を用いて発展への道を塞いでいる。

道路を建設するのではなくパレスチナ自治政府とハマスはユダヤ人を殺すためにお金を支払う。ユダヤ人がもっと殺されれば、彼らが受け取るお金はさらに多くなる。

アメリカとヨーロッパがお金を支払うから彼らはこの政策を維持することができている。彼らがもっとテロを実行すれば、パレスチナのことがさらに報じられる。彼らのことが報じられれば、国連や西側の政府によって支払われるお金はさらに増額される、「パレスチナ国家の樹立」を推し進めるために。

そしてこれが周り回って「パレスチナ国家樹立の気運の高まり」というスローガンになってアメリカとヨーロッパで議題として提議される。彼らは一体何を考えているのか?今月の初めにNorthwestern Universityの法学部教授のEugene KontorovichとKohelet Forumは共同で、1949年のジュネーブ・プロトコルを国際社会がどのように解釈しているのかに関する論文を出版した。関連する条項には「占領者は、占領地から自国の市民を強制退去させたり送り込んだりしてはならない」と記されている。

Kontorovichが語っているように、これがイスラエルが1949年の休戦ラインを超えてエルサレム、ジュデア、サマリアに居住地を建設するのは違法だという国際社会の主張の柱となっている。

言い換えると、西側がイスラエルを非難する最大の口実となっている。

先週もオバマがこれを口実に国連でイスラエルを非難する演説を行ったところだ。

Kontorovichは武力衝突によってイスラエル以外の国が占領した土地に建てられた入植地に対して、国際社会がどのような反応を示しているのかを調べた。

西サハラでのモロッコの活動、北キプロスでのトルコの活動、東ティモールでのインドネシアの活動、その他数多くの事例が1967年の所謂6日間戦争でイスラエルがヨルダンから奪い返した地域での活動と法的には区別できないと彼は記している。

だがこれらのどれ一つの事例に対してもアメリカやヨーロッパ、国連などがジュネーブ会議を開催したり、もしくはそれらの活動が国際法の違反だと主張したことはない。言い換えると、イスラエルを非難する法的根拠は薄っぺらく完全に差別に当たる。

パレスチナ国家の樹立に対するアメリカの支援は、国際社会のそれと同様に、イスラエルに対する単なる差別の手段と成り果てている。それはイスラエル人にもパレスチナ人にも平和や正義をもたらしはない。それはイスラエル人を殺害するテロリストたちをさらに活気づけパレスチナ人も国際社会もともに傷つくだけだ。

今回もジュリアーニは完全に正しい。

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