Jeff Weintraub
先週のイラクでの地方選挙の結果を受けて、Andrew Sullivanはイデオロギーの異なる論者たちの反応を一纏めにして記事にしていた。全員が正解ということはないだろう。そしてどの意見が最も正解に近かったのかを判断するのはもう少し時間が掛かるだろう。だが彼が選んだ意見はどれも知性的なもので、説得力もあり、価値が高い。Andrew Sullivan自身が選挙に関して語っていることその意義についての意見も正しいように思われた。それをここでは見ていこう。
先週の選挙の結果を歓迎せずにいるというのは実に難しい。確かに、スンニ派の投票はまだ幾らか抑えられているように思われる。このことは(特にAnbarでは)問題になりうるかもしれない。確かに、イラク全体では基本的な投票権を保証するのに苦労している所もある。確かに、投票の結果はまだ単なるノイズ以上のものではないという可能性を排除しきれていない。それに、イラクでの出来事は完全な悲観論や楽観論で解釈すべきではない。
「イラクの集計所からリークしてきた大きなニュースは、強固な中央政府を模索している政党が選挙で大きな勝利を収めたということだろう。去年の秋には意見の隔たりがあった。Kurdistan AllianceやIslamic Supreme Council of Iraqなどの幾つかの政党はイラクの中央政府は非常に弱いものであるべきと考えていた。中央政府の権限はKurdistan Regional Governmentのような地方の機関に委ねられるべきだと。対照的に、Islamic Mission Partyに存在している中央主権主義者やスンニ派のアラブ人などは強固な中央集権国家を求めていた。選挙で勝利したのは後者であるように思われる…」。
[JW:その評価は正しいと証明されるかもしれない。それは彼が望んでいたことでもある。だがそうだからと言って彼のコメントが希望的観測ということに必ずしもなるのではない。そして彼のコメントが正しいのであれば、今度の結果は実際に我々が待ち望んでいた政治的にとても有意義なものとなりうるだろう]。
「それほど前ではない過去にものすごい数の分析家によって為されていた主張、イラク戦はイランにとって大変な勝利となるだろうという主張はまったくの的外れだった。中東には外部の勢力は民主主義を生み出すことは出来ないという主張も同様だ。イラクの民主主義はまだ脆弱で不完全ではあるものの、それにも関わらず人々が投票に出掛けそれも中央集権主義的で(すべての指標が示唆しているように)アメリカとの同盟を望んでいる者を選んでいるということを見るのは大変印象的だ」。
「今度の選挙の結果はイラクに新たなマジョリティを生み出すだろう。それも常に政党間の連盟によって形成されるマジョリティとなるだろう。もはや巻き戻すことは出来ない結果が一つある。単一の政党による独裁政権にはもう戻らないだろうということだ。イラクは分裂するかもしれない。だがサダム・フセインのような時代に戻ることは決してないだろう。そして、それが他の独裁政権が最も恐れていることだ」
Spencer Ackerman
「この選挙自体の結果を超えて、今回の選挙は地方の機関は新しい政治の現実という状況にどのように対応するのだろうかという疑問に一定の回答を与えたように思われる。以下の命題に対する証拠も持っていないし、純粋な憶測でしかないが次のように予想してみようと思う。脆弱な国家における選挙での転換点となる地点は既存の体制からの一時的な遷移状態ではなくむしろ新しい強力な力を持った体制を作ることが出来る」。
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