"Jeningrad" - Tom Gross on the mythical "massacre" in Jenin
Jeff Weintraub
イスラエルのジェニンでの行動は、オサマ・ビン・ラディンのニューヨークへの9月11日の攻撃を「正当化させる」とイギリスのガーディアン紙は4月17日に書いた。
「我々はここで大虐殺のことを語っている、ジェノサイドを取り上げている」とロンドンの夕方の主要紙の筆頭コラムニストは4月15日に語った。
「このような意図的な破壊、このような人命の蹂躙を私はかつて見たことがあるだろうか?」とロンドン・タイムズのジェニン特派員Janine di Giovanniは4月16日に報告した。
今ではあのパレスチナ政府までもがジェニンで虐殺はなかったと認めている(上記の記者たちが未だに辞職していないということを信じられるだろうか?)。そして何人かのパレスチナ人はイスラエル人を23人殺害したこの戦闘のことを「ユダヤ人に対する大いなる勝利」とまで呼んでいる。国際メディアがジェニンでの戦闘をどのように報道したかを他の面から見てみることは有益だろう。死者数に関しては未だに合意がされていない。今ではパレスチナ政府はジェニンで56人のパレスチナ人が亡くなったと主張している。ジェニンでのファタハの代表は亡くなったのはほとんどが戦闘員だったとも語っている。ジェニンのパレス治安の病院は死者数を52人と発表している。ヒューマン・ライツ・ウォッチの報告書も52人のパレスチナ人が亡くなったと語っている。イスラエルは46人が亡くなったと語っている。そのうちの3人以外は全員が戦闘員だった。パレスチナの医療関係の情報は死亡した市民のうちの少なくとも一人は4月12日のイスラエルの撤退以降に、パレスチナの戦闘員が誤って爆発させたトラップ爆弾によって亡くなったことを確認している。
それにも関わらず、国際メディアが非常に好むパレスチナのスポークスマン(Saeb Erekatなどのような)は3000人のパレスチナ人が亡くなったと嘘をついた。それを確かめることもなく、国際メディアは彼の語った数字をそのまま報道した(繰り返しになるが、誰一人として責任を取っていない)。
イギリスのメディアは特に感情的だった。彼らはページというページを割き、連日のように、架空の大虐殺、架空の集団墓地、架空の処刑、架空の戦争犯罪をでっちあげた。イスラエルは必然的にナチス、アルカイダ、タリバンなどと比べられた。あるレポートは行方不明になったと「される」数千人のパレスチナ人を「失踪した」アルゼンチン人と比較するものさえあった。パレスチナ人がジェニンで「虐殺された」というアラファトの主張が誇張されているという可能性は少しも考慮されなかった。
「イスラエルがパレスチナの政府が主張しているような規模の虐殺を行ったという証拠はわずかしかない」。Washington PostのMolly Mooreは「大虐殺が行われたというパレスチナのグループや支援団体の主張を支持する証拠は未だに表れていない」。
LEFT AND RIGHT UNITE AGAINST ISRAEL
だがイスラエルを誹謗中傷したのは左のジャーナリストだけではない。右寄りのデイリー・テレグラフ紙(あるイギリス人は、デイリー・テルアビブグラフと悪意を込めて呼ぶ、編集者がイスラエルに同情的だからだ)も同じぐらいひどい報道内容だった。例えばその見出しは「数百の被害者がブルドーザーによって集団墓地に埋められた」だった。
イブニング・スタンダードのSam Kileyはイスラエルの「恐ろしいまでの暴力性と無差別殺戮」が目撃されたと捏造した。タイムズ紙のJanine di Giovanniは、イスラエルがジェニンの自爆兵器製造工場を破壊するミッションを掲げているのを子供を攻撃するための言い訳だと仄めかしている。GuardianのSuzanne Goldenbergは「破壊の規模はほとんど想像を超えている」と書いた。
“THE POISONING OF WATER SUPPLIES”
ガーディアン紙の論説委員がイスラエルをアルカイダに例えた一方で、イブニング・スタンダードのコメンテーターは単にタリバンに例えただけだった。4月15日に、A. N. Wilsonは「水源に毒を流した」とイスラエルを糾弾した(古くからある反ユダヤ主義の危険なプロパガンダだ)。そして「我々はここで虐殺のことを語っている、ジェノサイドを取り上げている」と書いた。
彼はイスラエルが「意図的に教会を破壊した」と非難することによりユダヤ人へのキリスト教徒の反感を煽った。そして恐らく目を疑われるかもしれないが「パレスチナの多くの若いイスラム教徒は英国国教教会の子供たちだ、エルサレムのSt Georgeで教育された、彼らの父への信仰心は迫害者と戦うには十分ではなかったと感じただろう」とイスラエルを非難した。
それから、キャサリン・ゼタ・ジョーンズが乳母にどれぐらいのお金を支払っているかなどのカジュアルな話題に移る前に、彼は「先週、我々はイスラエル軍がナブレスの古代遺跡を破壊するのを目撃した。イエス・キリストが井戸の前でサマリア人の女性に語り掛けた場所だ。これはタリバンが仏教遺跡を破壊した悪事に相当する」と書いた(恐らく彼はアラファトが2000の9月にイスラエルに対して攻撃を仕掛けて以来唯一破壊されたナブレスの遺跡は古代のユダヤ遺跡ヨセフの墓だけであることを知らないのだろう。これはアラファトの護衛部隊が見守る中、パレスチナ人によって破壊された)。
他のコメンテーターはホロコーストに例えた。インディペンデント紙のYasmin Alibhai-Brownは「シャロン首相は人道に対する犯罪に問われるべきだと提案する。(中略)そしてホロコーストの意味を失わせたことで非難されるべきだ。国家が民族浄化の機械となるのを永遠に妨げることの誓いだ」と書いた。
メディアの攻撃の後には政治家が続いた。4月16日に、Gerald Kaufman(ベテランの労働党の内閣のメンバーで以前の影の外相)はシャロン首相は「戦争犯罪者」で「抑圧的な政府」を主導していると声明を出した。内閣のメンバーの支持を集めるために、(ユダヤ人でもある)彼はイスラエル軍によって行われているとされている「パレスチナ人に対する野蛮な手段」は「ダビデの星を血で染めている」と語った。敵対している保守派の政党も、以前の内閣の閣僚だったJohn Gummerはイスラエルへの非難に終始した。彼はこの非難警告を「我々の目の前に置かれた証拠」に基づいて発していると語った。彼は恐らくBBCの特派員Orla Guerinからの報道でも見ていたのではないのか?または彼の言うところの証拠とは労働党の議員Ann Clwyd(真実を探してくるといってジェニンに旅立ちほんの一瞬で帰って来た)によってもたらされたのだろう。「うめくような声」が聞こえたと彼女は語り、これはすべてイスラエル軍の戦車によって巻き起こされた埃のせいだとも語った。
彼女はジェニンを視察するVIPの訪問団に加わっていた(他にはヨーロッパの内閣のメンバー、アメリカの教会指導者、アムネスティのIrene Khan、有名ミュージシャンのミック・ジャガーの元妻Bianca Jaggerらが加わっていた)。彼女の声は、すべてのヨーロッパの国がイスラエルから大使を引き上げるような呼び掛けが出来なくなるほどには十分にしわがれてはいなかったようだが。
ONLY ONE WITNESS?
より詳細な調査により、多くのメディアが頼りにしていた「事実」とやらは、Paulinのような憎悪に満ちた発言をさせるきっかけ(彼は元から人種憎悪主義者だっただろうが)となった「事実」とは、より大きなスキャンダルをはらんだものであったことが明らかになる。イギリスのメディアは「ジェノサイド」の証拠とやらを一人の証言者に頼り切っていたように見える。例えば「労働者のKamal Anis」(タイムズ)、「28歳のKamal Anis」(テレグラフ)、「Kamal Anisと呼ばれる物静かで悲しそうな表情をした若い男」(インディペンデント)、そして同じ被害者(とされている)ばかりを報道している、「Basharという人物が瓦礫の下に眠っている」(イブニング・スタンダード)、「Basharという人物が苦しみの中で亡くなった」(タイムズ)、「Basharという名前しか分かっていない男がかつてはそこに住んでいた」(テレグラフ)。
インディペンデント紙、「Kamal Anisはイスラエル兵士が半分倒壊した家の前で30人の遺体を山積みにしているのを目撃した。遺体の山がいっぱいになると、彼らはブルドーザーで建物を破壊し(ブルドーザー好きだな)瓦礫で遺体を覆い隠した。それから彼らは一帯を戦車で平坦にした」
タイムズ紙、「Kamal Anisはイスラエルがその一帯を平坦にしたと語った、彼は遺体の山が集団墓地に投げ込まれるのを目撃し、その上に土が覆い被せられ、平地にするために戦車で走り回った」
ロサンゼルスタイムズ紙(恥さらしの仲間入り)、「ジェニンのパレスチナ人はイスラエルの兵士がパレスチナ人の銃撃者とともにキャンプの民間人に向かって無差別に攻撃している戦闘の様子を絵に描いて見せた」
ボストングローブ、「ジェニンでの民間人と戦闘員への綿密な調査の後に、民間人が大量に殺害されたのを目撃したものは誰もいなかったことが判明した。その一方でジェニンでのイスラエル兵士の死亡に関して、イスラエル兵士に向かってグレネード手りゅう弾を投擲していたイスラム原理主義者Abdel Rahman Sa’adiは、これはユダヤ人が虐殺された事件だ、我々ではない、と語った」
だがヨーロッパの読者はアメリカのジャーナリストを信用せずに、アラブの報道機関で行われた証言の方を信じたがっているようだった(ヨーロッパ人は馬鹿だから自分たちは真実を知っていてアメリカ人は騙されていると本気で信じているから)。例えば、エジプトの大手新聞社Al-Ahramが行ったパレスチナ人の爆弾製造犯Omarへの長大なインタビューの方を取り上げた。
だが恐らく最もショッキングだったのは、イギリスのメディアがイスラエルの主張に耳を完全に閉ざしたことだろう。世界で最も活発に自己批判を行っている社会の一つをだ。Ben Gurion UniversityのKenneth Preissの言葉を借りると「イスラエル軍がパレスチナ人への虐殺を隠そうとしていると主張しているレポーターには、イスラエル軍にはジャーナリスト、内閣のメンバー、教授、医者、人権活動団体、すべての政党のメンバー、その他あらゆる種類の人々がそのすぐ近くで働いているということを教えてあげてほしい。わずかでもそのようなことが行われたとすれば、すぐにでも首相の前でデモが行われるだろう」。
ジョージ・オーウェルはかつて共産主義者の論争相手に対してこのように述べた。「あなたは知識人に違いない。唯一知識人だけがそれほどまでに愚かなことを述べることが出来る」。この観察事実は中東に関しても当てはまるようだ。
大西洋の両側で、タブロイド紙が優れている「とされている」高級紙のついた嘘を訂正している。4月17日に、ニューヨーク・ポストは「虐殺ではなかった虐殺」というタイトルの論説を掲載した。ロンドンでは、最も有名なイギリスの大衆紙サンが「イスラエル人は生存を脅かされた。彼らは一度もイギリスを信用しなかった。イギリスの外務省にいる人たちの面子を見れば、一体誰が信用するというのか?」と指摘する論説を掲載した。ヨーロッパの国々は未だに「ユダヤ人を虐殺したことを否定している」とサンは付け加えた。そしてユダヤ人が「世界を支配している」という陰謀論を捨て去る時だと指摘した。サンの論説の見出しは「ユダヤ人の信仰は悪い宗教ではない」だった。そのような見出しは21世紀のイギリスに必要ないと思うかもしれない、だが現実にはそうではない。
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