2016年5月5日木曜日

アル・ゴアがイラク攻撃の最も強力な賛成者でブッシュ大統領がイラク攻撃の反対者だった?

Al Gore on Iraq (February 12, 2002)

Jeff Weintraub

イラク攻撃の支持者も反対者も仮にアル・ゴアが大統領になっていたらそれは起こらなかっただろうと議論することがある。大事なことなので言っておきたいが、私はその意見に強く反対する。

この結論は大部分がゴア氏の発言の記録と1991年の湾岸戦争の終了後の10年以上に渡って一貫して彼が表明してきた考えに基づいている。誰もが知っているように、ゴア氏は湾岸戦争に賛成票を投じた民主党の議員の一人だった。そして彼は当時サダム・フセインを政権の座から引きずり降ろさないと決断したことは大変な大間違いだったと一貫して議論してきた(そして彼は正しい)。1990年代には、彼はクリントン政権でサダム・フセインに対して行動を起こすように最も強く主張していた一人だった。そして1990年代の終わり頃には、湾岸戦争以降の「封じ込め」政策全体がコストが膨大で反生産的で次第に持続不可能になってきているという結論に至ったように思われる(私の意見では、これもまた正しい)。

このような印象は2002年の2月の外交評議委員会でのゴア氏の演説からも確認できる。これは外交政策全体に関する表明で、議題は多岐に渡り、イラクはそのうちの一つでしかなかった。だがその内容は重要な点を捉えている。

「仮に我々がテロリストのネットワークの破壊を最優先事項に挙げるとしても、そしてそれに成功したとしても、それでも我々に大きな危害をもたらしうる政府が存在する。イラクだ」

「私の懸念が正しいとすれば、イラク政府の転覆も議論の対象に挙げられるべきだ。私が思うに、今回こそは物事を(サウジの意向を気にするのではなく)我々の思うがままに終わらせる必要がある。だが我々の思うがままに終わらせるとはイラクの体制の変化以上のことを意味する」

「1991年に、私は党派のラインを超えてサダム・フセインに対する武力行使を支持した。だが彼は政権の座に残ることを許された。その後の10年間、我々全員が深く後悔している計算の結果として。そして我々は未だに後悔している。従って今回は、我々が武力行使を行うつもりがあるのであれば、正しく行わなければならない。最も現実的な考えの下で注意深く計画されなければならない。失敗は許されない。失敗は最悪の状況に備えなければならないことを意味する。ベストケース・シナリオに基づく楽観的な考えや条件の異なる最近のイベントからの憶測は災害を招く結果になるだろう」

これはこのアプローチが必ずしも成功を収めたということを意味しない。ブッシュ政権の単独主義は2002年から2003年の混乱の要素の僅か一つに過ぎない。1990年代の終わりまでに選択肢がそれほどまでに限られていた理由の一つはイラクの「封じ込め」が(これが自分たちの経済的/政治的利益だと信じた)イラクのバース党体制と秘密裏に共謀した幾つかの国の政府によって組織的に無責任に切り崩されていたからだ。そして2002年から2003年の政治的/外交的危機において、トニー・ブレアのアプローチが失敗した最大の理由は、ブレア氏が非建設的で無責任なヨーロッパの国々(フランス、ロシア、ドイツが含まれる、だがこれらに限定されない)と倫理も、知性も、政治的能力も欠落したヨーロッパの大衆(このことはユーロ危機以降、馬鹿以外には誰の目にも明らかになったと思われる)によって陰険な手段で貶められたことにある。これらのことはゴア氏が大統領であったとしても起こったかもしれない(サダムを支援していた面々のことを思えばそれは十二分に考えられる)。だから結果は再び、相対的により「単独主義的」ではないアメリカの行動とサダム・フセインとその背後にいる外国の援助者たちの勝利との間の選択となっていたかもしれない(アメリカを嵌めようとしていたヨーロッパがテロと難民と経済危機と犯罪に苦しめられるようになったのはまさに自業自得としか言い様がない)。

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