Jeff Weintraub
イラク攻撃の支持者も反対者も仮にアル・ゴアが大統領になっていたらそれは起こらなかっただろうと議論することがある。大事なことなので言っておきたいが、私はその意見に強く反対する。
このような印象は2002年の2月の外交評議委員会でのゴア氏の演説からも確認できる。これは外交政策全体に関する表明で、議題は多岐に渡り、イラクはそのうちの一つでしかなかった。だがその内容は重要な点を捉えている。
「私の懸念が正しいとすれば、イラク政府の転覆も議論の対象に挙げられるべきだ。私が思うに、今回こそは物事を(サウジの意向を気にするのではなく)我々の思うがままに終わらせる必要がある。だが我々の思うがままに終わらせるとはイラクの体制の変化以上のことを意味する」
これはこのアプローチが必ずしも成功を収めたということを意味しない。ブッシュ政権の単独主義は2002年から2003年の混乱の要素の僅か一つに過ぎない。1990年代の終わりまでに選択肢がそれほどまでに限られていた理由の一つはイラクの「封じ込め」が(これが自分たちの経済的/政治的利益だと信じた)イラクのバース党体制と秘密裏に共謀した幾つかの国の政府によって組織的に無責任に切り崩されていたからだ。そして2002年から2003年の政治的/外交的危機において、トニー・ブレアのアプローチが失敗した最大の理由は、ブレア氏が非建設的で無責任なヨーロッパの国々(フランス、ロシア、ドイツが含まれる、だがこれらに限定されない)と倫理も、知性も、政治的能力も欠落したヨーロッパの大衆(このことはユーロ危機以降、馬鹿以外には誰の目にも明らかになったと思われる)によって陰険な手段で貶められたことにある。これらのことはゴア氏が大統領であったとしても起こったかもしれない(サダムを支援していた面々のことを思えばそれは十二分に考えられる)。だから結果は再び、相対的により「単独主義的」ではないアメリカの行動とサダム・フセインとその背後にいる外国の援助者たちの勝利との間の選択となっていたかもしれない(アメリカを嵌めようとしていたヨーロッパがテロと難民と経済危機と犯罪に苦しめられるようになったのはまさに自業自得としか言い様がない)。
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