2016年5月5日木曜日

サダムを支援したのは本当にアメリカだったのか?

"We made Saddam"? — Actually, no

Jeff Weintraub

David RothkopfはForeign Policyに知性的で、深い考察に満ちていて、新しい視点を提供してくれる記事を定期的に寄稿しているブロガーのうちの一人だ。だから最近の記事で、彼が多くの人に真実と信じられているが間違っている典型的な神話を再び持ち出したことは残念なことだ。それが実際には間違っているということを人々に教え広めることには意義があると思われる。だから私は彼に考えの修正を求める電子メールを送ることにした。

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親愛なるDavid Rothkopfへ。

あなたの記事である「America's worst allies: friends we could've lived without」を興味深く拝見させていただきました。あなたはサダム・フセインの章で、「我々がサダムを作った」と主張しています。

事実は、そうではありません。この神話はあなたのより最近の記事で記述されている「Things I know to be true that aren't」カテゴリーに該当します。

だがこれを信じているのはあなた一人ではありません。これは多くの人に信じられている神話です。イラクのバース党はソビエト連邦とフランスから膨大な援助を受けてきました。1981年から1982年までは明確に反米組織でした。サダム・フセインのイラン侵攻が逆方向に展開しそうになると、要するにコメイニのイランがバスラを占領してイラクの体制を転覆するかのように思われだした頃には、アメリカは次第にイラクの方に「僅かに傾いて」いきました。恥ずべきことに、サダム・フセインの毒ガス兵器の大量使用や他の戦争犯罪を罰しないことによってですが。ですが、それは他のすべての国も同じことです。イランの革命政権は、イラクのバース党がするほとんどすべてのことはより悪ではないとして全員に支持させるほどにまで人々を恐れ慄かせていました。

ですがアメリカがイラクの方に「傾いていた」時期でさえも、彼に兵器を提供していたのは圧倒的にソビエト連邦(とその衛星国家)、フランス、中国などでした。アメリカが提供していたのはほんの僅かの割合にしかすぎません。彼はアラブの石油国家から膨大な金銭的援助をも受け取っていました(そのうちの一つには例えばクウェートが含まれるのですがイラン/イラク戦争の終了後に返還を求めたため不幸な結果に終わりました)。他にもこのリストは続きます。どちらにしても、その頃にはサダム・フセインはとっくに権力を掌握した後でした。従って、アメリカからの支援がそもそもサダムを「作り上げた」などということは間違っても言うことは出来ません。

繰り返しますが、私はサダム・フセインが我々の味方だったと広く信じられていることはよく理解しています。ですがその考えは正しくありません。興味があるのであれば、以下の記事を参考にしてください(省略)。

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