2015年8月12日水曜日

「大きな政府(増税)が経済成長にとって有害ではないというのは経済学者の間でコンセンサスになっている」というのは一体何だったのか?Part7

6 studies that demonstrate why small government is best

Lewis Brown

Norman Baker下院議員によるとイギリス内務省では合理的な証拠に基いて政策が決定されることはほとんどない(好まれない)という。

イデオロギーに凝り固まった政治家や政策当局者が自分達の誤った考えを捨てて証明された証拠に従って欲しいというのはありふれた願いだ。

偉大なマネタリスト経済学者ミルトン・フリードマンがかつて述べたように、「最も大きな誤りのうちの一つは政策とプログラムをその結果ではなくその意図で判断することだ」ということは真実だ。

フリードマンは最低賃金の引き上げを後押ししようとしている善意?の支持者たちと特別利益団体との同盟を名指ししてこの発言をしている。問題は結果を判断するには何通りもの見方があるということだ。支持団体は最低賃金は低所得者の生活に劇的なプラスの影響を与えると主張している。一方でフリードマンや(所謂)右と呼ばれる人達の多くは真の最低賃金はゼロで最低賃金法はそれにより雇用が創出されることを阻むので職を探している者を犠牲にして現在職に就いている者を有利にさせると議論している。最低賃金を巡るこれら異なる見方に対してそれを支持するまたはそれに反対する証拠が両方共にある(とはいえ最低賃金に関する最近の研究は有害説を支持する傾向にある)。

それにもかかわらず私が証拠に基づく政策を求める人々の願いにこの短い記事で応えるとするならば政府と経済成長の関係に関する証拠は圧倒的に古典的自由主義の側を支持しているように思われる。ここに挙げるのは膨大な数の証拠のうちの6つだけだ。

Institute of Market EconomicsのDimitar Chobanov and Adriana Mladenovは、「全体の結果はScully modelによる最適な政府の規模はGDPの25%であることを示唆している。だがモデルとデータの制約から結果には上方バイアスが掛かっており、「真の」最適な政府の規模はこれよりも小さくそして政府の規模だけではなく質にも依存している」。

Fraser InstituteのLivio Di Matteoは、「数多くの研究が政府の規模と経済成長率に負の実証的関係があることを示している。同様に小さな公的部門と公的サービスを供給することに関しての効率の良さ、結果の良好さにも関連があるように思われる。(中略)そして政府支出と社会的指標との間に正の関連があるもののその関連の大部分ははるかに低い水準での政府支出に対してであって政府支出または公的部門の規模がある水準を上回ると改善しなくなる」。

1998のJoint Economic Committeeのために用意された報告書は、「政府の規模とその拡大の両方が経済成長に負の影響を与えたことを示した証拠が圧倒的にある。アメリカの政府支出が1960にGDPのの28.4%から1996に34.6%に拡大した間に投資がGDPに占める割合、労働生産性の伸び率、実質GDP成長率が低下した。OECDに加盟している23の国のデータも政府支出の割合の高さと投資の少なさ、低い成長率との間に相関があることを示している。対象を60ヶ国に拡大した分析も同様の結果を示している。その上、世界で最も速く成長している国の政府の規模はGDPの20%以下でその中でも投資ではない政府支出がGDPに占める割合は13%だ。これはアメリカや他のOECD加盟国に比べてはるかに低い」と結論している。

CPSのRyan Bourne and Thomas Oechsleは、「OECD加盟国の1965から2010の期間を計量分析した結果は租税がGDPに占める割合の高さが経済成長に統計的に有意な負の影響を与えていることを示している。例えば租税がGDPに占める割合が10%ポイント上昇すれば一人あたりGDP成長率が1.2%ポイント低下する。同様の統計的に有意な負の影響が政府支出がGDPに占める割合の高さにも見られた。より詳細な分析の結果、投資がGDPに占める割合、労働力人口の成長率、人的資本の成長率など変数にも影響が見られた」。

European Central Bankによる2003の研究は異なる角度から問題提起をしている。政府支出が社会的指標の改善に結びついていないという指摘だ。「大きな政府の支出は平均で見て35%削減されても同じ結果を得ることが出来る。EU-15ヶ国はアメリカや他のOECD加盟国と比較して公的部門の効率性が相対的に低いことがこの計算によると指摘されている。(中略)EU-15ヶ国は同じPSP値を得るのに「最も効率的な」国と比較して27%多く支出していることになる。他のOECD加盟国の支出の平均は必要額よりも「わずか」11%多い」。

最後にInstitute of Industrial Economics (IFN)のAndreas Bergh and Magnus Henreksonは一見した所対立したデータがあるように見える場合でも他の市場寄りの政策やその国特有の社会的要素などが大きな政府によって発生したダメージをある程度埋め合わせていたと議論している。「スカンジナビアの福祉国家もアングロ・サクソンの福祉国家も大きく異なる政府の規模で高い成長率を実現できているように見える。これは低い税率の国が経済成長に負の影響を与えずに税率を引き上げられることを意味しない。また高い税率が経済を歪める様々のメカニズムがスカンジナビアに当てはまらないことを意味しない。より的確な解釈はスカンジナビア諸国に対するリベラル派の説明からは無視されている要因が存在するということだ。我々はそのような要因を2つ紹介した。成長親和的な政策と歴史的に高い信頼水準だ。だがこれは推測でしかない上に政策に対する意義も不明瞭だ。経済成長と政府の規模の間に相関が存在するかの議論は今では概ね決着済みだと私は思うが(それとは別に)政策の変更や制度と経済成長に関する研究は急速に進んでいる」。実際に、自由市場がスウェーデンのような中央集権的な経済でさえもを成長させたことを示した幾つかの研究がある。

上記で紹介した研究の引用リストにはこのトレンドを形作るさらに膨大な数の研究が紹介されている。

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