2016年3月19日土曜日

Why Is Washington So Polarized?

John Goodman

オバマ大統領の共和党への講話の申し入れがあったにせよ、多くの人は次のように思っているだろう。ワシントンの空気がこれほど刺々しかったことはあっただろうかと。

ワシントンから遠く離れた場所に住んでいる私にはそれが本当かどうかは分からない。国全体としては政治的に対立している。だが50年前に比べて対立しているかどうかは分からない。政治の刺々しさはワシントンの現象だ。2極化はエリートの間でより深刻なように思われる。教育を受ければ受けるほど、人はより2極化するように思われる。

どうしてそうなるのか?

私には考えがある。急進的政治的変化がある時とは原初的感情が表に出る傾向がある時期でもある。政治的変化とは古い体制から新しい体制へと移行していることを意味するからだ。それが起こると、古い体制と緊密に結びついている人々は自分たちが何かを失いつつあると受け取り始める。生活であったり、世界観であったり、自分たちが依存している制度であったりだ。

私たちはそのような時期に入っている。過去30年間とは、20世紀の政治的トレンドを真逆に変えてしまった時期だった。それほど遠くない過去には、私たちの多くは共産主義、社会主義への移行は避けられないと信じていた。国という国が左傾化していった。20世紀の最初の80年間に、個人の自由が拡大した場所を挙げることが出来ない。

全体主義は止めることが出来ないように思われた。

その後、20世紀の最後の20年間に、すべてが変化した。共産主義はほとんどすべての場所で解体された。単に政治的に解体されたという訳ではない。全体主義は学術的にも信用を失った。全世界で、新しい考えが浮上してきた。左翼は間違えた。すべてのことに関して間違えた。共産主義に関して間違えた。社会主義に関して間違えた。福祉国家に関して間違えた。

国という国で、政府の力は弱体化していった。規制緩和や民営化を通して。この変化がどれほど重要なものであったかは強調しすぎても足りないだろう。ロナルド・レーガンが大統領だった時には、最も保守的だった政治家でさえ社会保障の民営化に関して話すことは躊躇われることだった。これは他の国でも同じだった。だが現在では、全世界で30以上の国が完全にまたは部分的に社会保障を民営化している。私たちはまだそれを行っていない。

40ぐらいの国が今ではフラット税を導入していて税率はほとんどすべての地域で低下している。ヨーロッパでは、医療、教育、福祉の民営化に関して話すことはアメリカと同様にかつてはタブーだった。今ではそうではない。

かつては左翼の理想郷のように見られていたスウェーデンも今では教育に大規模なバウチャー制度を導入していて、医療システムのかなりの部分を民営化しほとんどすべての福祉システムを民営化しようとしている。公的な医療システムが「世界の羨望の的」と持ち上げられたイギリスは過去10年間に医療を民営化しようとしてきた。2008年以降、NHSの患者は任意の医療サービスのプロバイダー(NHS、営利の民間団体、非営利の民間団体)を選べるようになった。

政府の解体はスムースではなかったし連続的でさえもない。幾つかの国では逆行も見られた。ベネズエラ、アルゼンチン、エクアドル、フランスなどだ。私たちの国では、クリントン大統領の大きな政府の時代は終わった宣言からオバマケアへの逆行が見られる。

これらの逆行は左翼の人々に、このトレンドは不可避的なものではないとの偽の希望を与えた。降伏が不可避なのではなく、彼らは全体主義を復活させることは可能なのだという希望を持った。

2極化と政治の対立構造は右側の人々のせいだというのは神話だ。これほど事実からかけ離れたものもない。ティーパーティーの参加者は…ちょっと変わった所もあるが…普通の人々だ。本当にやばい人たちを見たいのであれば、Occupy Wall Streetの参加者と会ってみるといい。

Paul Krugmanは自分の意見に賛成しない者の動機、倫理、時には正気にさえも疑問を抱くNYTのコラムニストだ。右側のコラムニストに彼と同じぐらいの野蛮人を見つけることは出来ないだろう。

大部分において、この国の左翼は世界の至る所で起きている出来事によって自分たちの存在が深刻に脅かされていると感じている。彼らの子供じみた信念はすべて間違っていたと証明された。彼らが熱愛していた制度は解体されようとしている。

要するに、彼らは苛ついている。

以下、寄せられたコメント。

Peter Ferrara says:

正しい。政治に漂う悪意は左翼から生じている。MSNBCと冷静でプロフェショナルなFox Newsとでは対照的だ。右の側には不快でいつも叫んでいるEd Schultzに例えられるような人間はいない。よく批判されているRush Limbaughでさえ、左翼と比較すれば論理の模範生だ。ジョン、君はKrugmanに関しても正しい。右の側に彼のように気持ち悪くて、攻撃的で、非論理的なコラムニストはいない。私の見る所では、この国の右派はしばしば不必要なまでに礼儀正しすぎるし大人しすぎる。私たちの政治の真の問題はこの国の左翼とは誰とも論理的な話が出来ないことにある。

(馬鹿)Patel says:

ジョン、君がこのブログに記しているジレンマに対する適切な反応はエコノミスト誌のこの記事で分析されているように思う。

http://www.economist.com/news/leaders/21571136-politicians-both-right-and-left-could-learn-nordic-countries-next-supermodel

その記事では、この記事の筆者は北欧諸国が適切な規模の政府を保ちながらそれでもなお活気に満ちた民間部門をどのように維持しているかを記事にしている。どのようにかして、彼らは民間部門と公的部門のいいとこ取りを可能にしているようだ。

Kumar says:

君が持ってきた記事はヨーロッパの非常に小さな一部の国しか扱っていないじゃないか。PIGSのようにヨーロッパの国々は過剰な政府の規模が原因で苦しんでいることを忘れては駄目だ。

Peter Ferrara says:

ティーパーティー運動とOccupy Wall Streetとの対比は、このブログの記事の鮮やかで論理的な議論をより際立たせる。ティーパーティ運動とOccupy Wall Streetはお互いの鏡像ではない。ティーパーティー運動は一貫して礼儀正しさを示しており政治的論理性を持った活動でその大規模集会の時でさえ彼らが目撃された時よりも集会所を綺麗にすることで有名だ。一方、Occupyの方はというと彼らは法を破り、暴力犯罪を犯し、公共の場所をゴミだらけにすることで有名だ。そして私の見る所では、非論理的で、整合された意見やアジェンダも持っておらず何が言いたいのかも何がしたいのかもまったく分からない。個人的には、彼らはそれぞれの選挙民をお互いに完全に表していると思う。

Bob Geist says:

Occupy Wall Streetの群衆は批判されない。彼らは他人は批判する。これは単なる事実の指摘に過ぎない。ティーパーティー運動の参加者は他人を批判しない。明らかに違いがある。

君の分析は2極化の根本原因に関して的を射ていると思う。

sabre51 says:

素晴らしい記事だ。重要な要因を挙げていると思う。だがこの現象はもっと単純に説明できると考える。

君がRobin Hansonのプレゼンテーションとしての政治という考えに慣れ親しんでいるかは分からない(君のブログで見たような覚えがある。でも今はどこにあったか見つけることが出来ない)。私は彼に同意する。そして、エリートは今ではますます自分たちの社会的アイデンティティを政治観に反映するようになっているので彼らの間で政治的な対立の溝は深まっている。エリートが行うどのような政治的活動であっても外に漏れてしまってそのエリートのステータスに影響を与えるだろう。ステータスが政治とより関連するようになればなるほど少しの侮辱に対しても敏感に反応するようになり自分の信頼性を確保するために他人に対してより攻撃的になるだろう。スコット・サムナーが引用しているように、1910年には議員は議会の合間に高度な貨幣経済学の議論をしていたものだった。現代では、絶好の攻撃の的になるだけだろう。

他にも多くの要因があるだろう。だがこのトレンドはしばらく続くのではないかと思う。1800年以前には、現在に見られるような政治的対立はなかっただろう。当時のエリートは権力の為に戦っていることを理解していたしそれを隠そうともしていなかったかもしれない。権力争いを隠すことはより重要になってきている。だから、政治が戦いの前線になるのは社会にとって起こりやすいことなのだろう。

H. James Prince says:

「MSNBCと冷静でプロフェショナルなFox Newsとでは対照的だ」。

これは冗談で言っているのであって欲しいと思う。Fairleigh-Dickinson Universityのこの研究を見るんだ。

http://publicmind.fdu.edu/2012/confirmed/final.pdf

Linda Gorman says:

Anthony Zuckerは、「個人的にイデオロギー的な傲慢さには飽き飽きしている。社会科学は精緻な科学ではない。あるシステムが他のシステムよりも遥かに良く機能すると保証することは傲慢だ」と言っている。

当然のことには仮定は必要とされないだろう。データは豊富にある。手始めに、政府によって20世紀に殺された人の数を見てみるといい。最も多くの人を殺したシステムとは間違っても市場によって組織されたシステムではない。

Peter Ferrara says:

もちろん、Fox Newsは両方の側をカバーする唯一つのニュースネットワークだ。Fox Newsでは、AEIまたはNCPAから、BrookingsまたはCenter for American Progressまでの出版物を目にすることだろう。そのようなことを行っている放送局は他に一つもない。君はそのことを恐らく知らないだろう。意識したこともないだろうからね。君が持ってきた歪み切っているFairleigh Dickensonのプレスリリースを見ても分かるように、一体彼らはどうやってそれらの質問に対する正しい答えを知ったというのだろうか?その上に、そのリリースがEd SchultzやAl Sharptonに代表されるようなMSNBCとはFox Newsは対極にあるという私の観察事実に対する応答に少しでもなっていると君は本当に思っているのだろうか?

Karl Stecher says:

イギリスの公的医療は私からすれば誰の羨望の的でもない。それが制度化されてからというもの、1)アメリカと比較して、肺がん、前立腺がん、乳がんなどの生存率が低下した、2)過去50年間に、イギリスから来るメディカルリサーチが大きく減少したように思われる、3)イギリスの医療システムは官僚的だ。あなたは民営化に関して言及した。私は今はイギリスにいないし政府が政府が民間に対して払うと聞いても何も思わない。私が60年代にイギリスにいた時、当時からすでに存在していた治療の待ち時間を避けたいと望むのであれば人々は民間を選ぶことが出来た。

Al says:

Occupy Wall Streetは左翼をよく表している。暴力、殺人、レイプ、公共の場での迷惑行為、これらはほんの一部に過ぎない。

Tea Partyは保守派をよく表している。上で挙げたものとはまったくの無縁だ。

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