2016年3月19日土曜日

メディアはどのようにしてアメリカの医療費が高いという話をねつ造したのか?パート1

THRILLS, CHILLS AND HOSPITAL BILLS: MAYBE THEY'RE NOT SO CRAZY AFTER ALL

John R. Graham

先日、私はサンディエゴ市のScripps Health hospitalsに対する集団訴訟の無意味さを調査していた。保険に加入していない人たちのほとんどは医療費をどちらにしても払っていない!にも関わらず、「多額の」医療費を請求された(と主張するように弁護士にそそのかされた)と主張する保険の非加入者に対してディスカウントを与えるようにと訴えた裁判のことだ。

今日、私たちは2001年から2005年の期間にカリフォルニア州の病院に入院した患者で医療保険の非加入者、加入者、メディケア加入者、メディケイド加入者それぞれの支払額と請求額の比率を知ることができた。その論文の筆者たちは、民間の医療保険は請求額の38%、保険非加入者は28%、メディケア加入者は27%、メディケイド加入者は27%を支払っていたと結論している(アメリカの病院にはリストプライスというものがあってメディアがアメリカでは盲腸の手術が200万円もするとか騒ぐ時に使っている元ネタがこれ。このリストプライスというのは参考にならないメーカー小売希望価格のような偽の価格だということがアメリカ社会では常識となっていた。そのことを知らなかったもしくは知っているのに意図的に一連の捏造記事を書き始めたのがWSJと云われている。今回の論文はそれを改めて確認したもので、例えば病院側が医療費として100万円を請求したとすると実際に支払われる額はというより正確にはそれぞれの保険が実際に病院に支払う額は民間の保険で38万円、保険に加入していない人で28万円、メディケアで27万円、メディケイドで27万円だったということが明らかにされている)。

これは興味深い発見だ。私の以前の記事では、緊急救命室(ER)にやってくる保険非加入者のほとんどは医療費を支払っていないと指摘した。従って、病院が提示する請求額の一部を支払っている人がわずかにいるのかもしれない。この歪みにも関わらず、保険の非加入者が支払う額は民間の保険よりも少ない。

これは私の論文で議論したことを確認している。保険の非加入者は、保険の義務付けを行うために病院側が主張していることとは異なり病院にとって大した負担ではないということだ。その期間の患者全体の入院日数のわずか5.5%を保険の非加入者は占めるにすぎない。その論文では2005年では請求/費用比率が3.8だったと報告している。従って、保険非加入者が請求額の28%を支払ったと仮定すれば、病院側の費用の106%(0.28×3.8)を説明することになる!

私の論文で、カリフォルニア州の病院は恐らく黒字で保険加入の義務付けを通した政府による救済をほとんど必要としていないだろうと議論した。この論文はそれを確認している。

より詳細な説明はパート2

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