How the Liberal Press is Spinning the Oregon Medicaid Study
Shikha Dalmia
Peter Sudermanが昨日伝えたように、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン誌にオレゴン州のメディケイドに関する研究の結果が発表された。そしてその結果はACAのサポーターを意気消沈させた。その研究はサンプルサイズが大きくしかもランダムに選ばれていたのでとても有益なものだった。それ故、その発見はACAにとって致命的なものとなった。ACAの目的が4000万人のアメリカ人に保険を加入させて健康を改善し命を救うものだと一応は云われていたことを思い出す必要がある。
その研究は、連邦貧困基準100%を下回る保険に加入していない1万2000人以上の健康状態を比較したものだ。その半分がランダムにメディケイドに加入し残りの半分が保険に加入しないままに留まった。このようにサンプルがランダムに振り分けられたものは実験室で行われる実験の環境にとても近い。何故なら人種、所得、健康状態などの変数の影響を取り除いてメディケイドの影響だけを識別することが可能になるからだ。
ここに、その結果のまとめがある。
「抽選(ランダム)が行われた約2年後、ランダムにメディケイドに加入した6387人の成人とそれ以外の5842人の成人のデータが得られた。指標として、高血圧、コレステロール値、糖化ヘモグロビン値、うつ病の診断と投薬、自己申告された健康状態、健康状態、ヘルスケアの使用量、医療費の自己負担額などが含められた」
「メディケイドは高血圧、高コレステロール症の発症率と診断率またはそれらの症状に対する治療薬の使用量などに(対照群と比較して)有意な影響を与えていなかった。メディケイドは糖尿病の診断率と糖尿病薬の使用量を有意に増加させた。だが糖化ヘモグロビン値(糖尿病の重要な指標)の平均値または6.5%を上回ったサンプルの割合に有意な違いはなかった。メディケイドはうつ病と診断される人の割合を有意に低下させた(-9.15%ポイント、95%信頼区間は-16.70から-1.60でp値は0.02だった)。スクリーニングなどの予防的サービスの使用も増加させた。そして自己負担額を低下させた」
「この無作為化試験は、メディケイドが肉体的な健康状態に(対照群と比較して)有意な影響を与えていないことを示した。だが医療サービスの使用量、糖尿病の診断率とその治療薬の使用量は増加させ、そして金銭的負担を低下させた」。
ではリベラル派のメディアはこれをどのように伝えたのか?その見出しと内容をそれほどランダムにではなくサンプリングしてみよう。
New RepublicのJonathan Cohnの見出しは、
「メディケイドを拒絶した共和党は必ず読まなければならない新しい研究」
「その報告書はメディケイドが低所得者の生活を改善するのにどれほど重要かを示した」
「メディケイドは低所得層の医療費の負担を低下させたというのが大きなニュースだ。医療費の自己負担額が所得の20%を上回った人の割合が5.5%から1%ぐらいへ低下した。加えて、金銭的問題を経験する人の割合が低下した」
「他の大きなニュースは、メディケイドが精神病に与えた影響だ。うつ病の割合は比較対象と比べて30%低かった。それは、医療政策として良いというだけではなく財政面から見ても良い。精神の問題が社会に掛ける費用のことを考えれば。生産性の低下、犯罪の増加、自己破壊的な振る舞いなどなど」
「だが改善が見られなかったように思われる一つの場所は肉体の健康状態だ。これは少し驚きだ…」。
Mother JonesのKevin Drumの見出しは、
「メディケイドは恐らく結局は健康状態を改善しているのだろう」
「実際、その研究はうつ病、高血圧、高コレステロール値、糖化ヘモグロビン値に対して著しい改善を示した(思いっきり嘘じゃないか…)。問題はその研究のサンプルサイズが小さいことにある。だから結果が95%水準で有意にならなかった」
「だが、そのことはメディケイドに何の効果もないと言うこととはまったく異なる。メディケイドに効果があると高い精度で言えないことは確かだが、だが最もありうる結果とはメディケイドが実際には効果があったということだろう」
「まとめ: メディケイドは恐らく健康状態を改善した。サンプルサイズが小さすぎてこのことを確かな精度で言えないだけに過ぎない」。
Washington PostのSarah Kliffの見出しは、
「メディケイドは金銭的負担を軽減した、すぐには肉体の健康状態を改善させなかった」
「メディケイドを拡大させるかどうかで論争が繰り広げられている時に、メディケイドがすぐには肉体の健康状態を改善させることはありそうもないという新しい研究が登場してきた」
「その研究は最近にオレゴン州のメディケイドに加入した低所得者は医療サービスの使用を増やすことを示した」
「新規の加入者の金銭的負担は低下した。精神的な健康状態は改善を見せた。うつ病と診断された割合は30%低下した」
「だがコレステロール値、血圧値などを含むシンプルな健康状態の指標は抽選に応募したが選ばれなかった他のグループと比較して違いがなかった」。
Incidental EconomistのAaron Carroll and Austin Fraktの見出しは、
「オレゴン州とメディケイドと証拠、そして人々は凍りついた!」
「兎にも角にも、私たちはその研究の結果がプレスリリースやジャーナリストに送られ、私たちのような専門家の所に送られなかったことにうんざりしている。何故なら今ではその研究に関して既に書かれた山のような論説に対して反論しなくてはならなくなったからだ。彼らは誰か知識のある人間にもっと早くそれを見せるべきだっただろう。または皆に伝わるまで待つべきだっただろう。だが順番が外れてしまった。仕方がないのでこのまま話を進めよう」(社会主義にいたら真っ先に秘密警察を組織したがるような人間だな)
「初期の結果(1年目の結果)は幾らか期待させる結果を示していた。メディケイドは自己申告された健康状態を改善させ金銭的負担を低下させたと示していた。今回のアップデート、2年目のものは、強固な証拠を私たちに示すことを狙いとしていた。その結果は「入り混じったものだった」…」。
New York TimesのAnnie Lowreyの見出しは、
「メディケイドはヘルスケアの使用を増加させたことを研究が示した」
「メディケイドに加入した人はヘルスケアへの支出を増加させた。医者や病院へ行く回数を増やした。だがメディケイドはその加入者を健康にはしていなかった。少なくともその研究の調査期間である2年の期間では。だがうつ病の割合は大きく低下させた。金銭的負担も低下させた」。
読者は元記事を読んで、自分で彼らのピノキオ度(嘘つき度)をゼロから5までで判定して欲しい。
一つ重要なことを記しておく。この研究はメディケイドが保険に加入していない人と比較して肉体の健康状態を改善させていないということを示した他の多くの研究と整合的であるということだ。
更新: Ezra Kleinの古い記事が誤ってサンプルの中に含まれていた。
更新2: この研究に関する新しい見出しと内容をアップデートし続けるだろう。ここに新しいものがある。
Associated PressのRicardo Alonso-Zaldivarの見出しは、
「メディケイドは精神的な健康状態を改善させた」
「メディケイドははっきりと精神的な健康状態を改善させた。だが肉体の健康状態にはあまり大きな違いを与えてないように思われる」
「この直感に反する発見はハーバードとMITの研究者たちによって実施され、オレゴン州の所得の低い人がこれに参加していた。その研究はオバマ大統領の医療法案の下でのメディケイドの拡大に再考を促すだろう」
「その研究は、メディケイドに加入している人が保険に加入していない人よりも良くない、むしろ悪いかもしれないという広く広まった認識も打ち砕いた」。
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