黒人の寿命よりも白人の寿命の方が長いということは多くの人が知っている。多くの人はそれが白人による黒人への差別の結果だと思っている。これからここで示すように、その考えは間違っているようだ。
データから幾つかのことが分かる。第一に、若い年代では白人の方が黒人よりも死亡率が低い。だが予想していなかったことは高齢になってくると、特に80歳を超えてくると、黒人の方が白人よりも死亡率が低くなってくることだ。
もし平均寿命が組織的な差別による影響を受けているというのであれば、それを最も体験したはずの高齢の黒人が白人よりも遥かに死亡率が低いなどということがありえるのだろうか?
では、これらを一度に説明することが出来るものはあるのか?年齢層の低いアメリカの黒人に対しては平均余命を低めるような働きをして、それが今度は高齢の黒人に対しては死亡率を低めるような働きに変わるものがあるのか?上記のデータはそのようなものがあることを仄めかしている。
「アメリカの白人はマイノリティよりも平均寿命が長く健康だ。実際、白人の健康と平均寿命が顕著に改善し続けている一方で、人種間の病気や死亡率の違いは1950よりも今のほうが大きいと、Institute of Medicineの昨年のレポートは報告している」。
より興味深いのは、ハーバードが主催しているシンポジウムに出席している人たちというのは、かなりずれた世界観の持ち主だということだろう。
「人種間、民族間の健康の違いは本当で、多くの人々、多くの医者やマイノリティの多くでさえもが違いが存在するということを認識していない、と最近開かれたハーバードのシンポジウムに出席した人は語った。そのことは問題だ。医療政策に対する大きな変化は大衆からの圧力から生まれたことを歴史は示唆しているからだ」
「大衆は健康の格差が存在しているということを認識していない、とKalahn Taylor-ClarkはRobert Blendonと共同でプレゼンテーションを行った。多くのコミュニティで、マイノリティは健康の格差が存在するということを認識していない。このことを修正しようとする機運は盛り上がっていない、とこのシンポジウムを主催したClarkは語った」。
その解決策?ここにハーバードの公衆衛生学科の記事からの引用が2つある。
「アメリカの政策に科学は大きな役割を果たしてきた。健康格差の研究がハーバード大学の至る所で研究の分野として確立されることが重要だ、とBlendonは語った」
「問題を認識すること、差別が健康を害しているのだとしっかりと教育すること、それを実証することが研究を進める上で重要だ、とDepartment of Health and Social BehaviorのNancy Kriegerは語った」。
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