Talk about the Facts with Bill Clinton
Jonah Goldberg
日曜日のテレビ番組「Meet the Press」で、ビル・クリントン元大統領はオバマ大統領の医療法案が議会を通過すれば国民がすぐにそれを気に入るだろうと予想したのは間違いだったと謝罪したことで話題になった。以下が彼の発言だ。
「私は2つの理由で間違いを犯した。第一に、その法案の恩恵が3年か4年で行き渡ると思っていた。ところが法案を実装するのには長い時間が掛かった。そして第二に、その法案に対する攻撃が極めて強烈でしかも効果的であった、というより今も続いている。だが私はあの法案が重要だと考える。政治のことは忘れよう。事実に関して語ろう。反対派があの法案を廃止したい本当の理由は、反対派が現状を気に入っているからなのだ。反対派は毎年人々を放り投げ政府に彼らを拾わせる。私たちは所得の17.2%を医療に支出している。他の国で10.5%以上支出している国はない。それなのに私たちの乳幼児死亡率は他の国よりも高く平均寿命は他の国よりも低い。私たちは他の国より優れた医療システムを持っていない。どういうことだろうか?これが私たちが抱える100兆円の弱点だ。この100兆円を手にした人々は情報を拡散させるのに十分なお金を持っている。誤った情報をだ」。
クリントン元大統領がそれ程までに事実を知ることに夢中になっているようなので、少しの間事実を確認してみよう。彼は医療を国有化したい人がよく好む議論をここでも繰り返している。医療の国有化によって、乳幼児死亡率と平均寿命が改善するというものだ。他の国は医療を国有化しているので重要なのは医療の国有化に違いないという単純な議論だ。
平均寿命を見てみよう。もちろん医療システムと平均寿命とには幾分かの関連はあると思われる。だが他の要因のほうが圧倒的に大きい。
例えば、Robert Ohsfeldt and John Schneiderは平均寿命統計から傷害(故意的なもの、そうでないもの)の要因を除外すると、自動車事故や殺人(必ずしも犯罪を意味しない)で死亡していないアメリカ人の平均寿命は他のどのヨーロッパ諸国よりも長いことを発見した。これは65歳以上のアメリカ人の平均余命が何故イギリスよりも長いのかを部分的に説明しているだろう。
2006の研究、「Eight Americas」によるとアジア系アメリカ人の女性の平均寿命は87歳(New Jersey、Bergen Countyで91歳)だった。集団としてのアジア系アメリカ人の平均寿命は84.9歳(85歳)だった。彼らの一人あたり所得は(1ドル=100円として)215万円と極めて低いのでこの違いは所得では説明することが出来ない。第二世代のアジア系アメリカ人の女性の平均寿命は日本の女性より3年以上長い。
一方、サウスダコタのアメリカ・インディアンの平均寿命はわずか58歳だった(おかしなことに彼らはHHSが運営するIndian Health Serviceという公的医療によってカバーされている)。インナーシティの黒人男性の平均寿命も66.7歳と短い。北部平原地帯の白人は他の白人よりも平均寿命が長い。
クリントン元大統領はオバマケアによってこれらの乖離が平準化されると本気で考えているのだろうか?仮にそうであれば、平均寿命の違いは保険や医療へのアクセスの違いよりも幅が大きいことを示したこの研究のことをよく知っておくべきだ。要するに、医療以外の要因の方が平均寿命に大きな影響を与えている。
乳幼児死亡率に関してもほぼ完全に統計による作り物だ。この記事が既に長くなってきたので彼らの主張が抱える問題点を指摘したこの記事を読むことを推奨する。
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