10代の黒人が示唆となるのであれば、アメリカの黒人の半数近くはビタミンDが不足していることになる。これらの人々はビタミンDが不足している人全体の5人に3人、57.2%を占めている。
それをどうやって知ったのかはここにある。今年の始めに、ニューヨーク市のWeill Cornell Medical Collegeの研究者たち、Sandy Saintonage, Heejung Bang and Linda M. Gerberによって行われた研究、Implications of a New Definition of Vitamin D Deficiency in a Multiracial US Adolescent Populatuion: The National Health and Nutrition Examination Survey III in March 2009がPediatricsに掲載された。
その研究はビタミンD不足の閾値の引き上げが提案されているのに対応して、アメリカの成人でどの程度ビタミンDが不足しているのかを把握するとの目的で行われた。その当時では、ビタミンDの不足は血清中の25-ヒドロキシビタミンD濃度が1mlあたり11ナノグラム(ng/mL)を下回ることとして定義されていた。最近になって、新基準として20 ng/mLにまで引き上げられた。
その研究にはNational Health and Nutrition Examination Survey IIIのデータが用いられた。これは1988から1994の期間の12歳から19歳までの全国的に代表的な2955人のサンプルを社会人口統計学的な特性を考慮に入れた上で横断的に調べたものだ。その過程において、その研究の筆者たちはビタミンD不足が旧基準では2%であったものが新基準では14%または2955のサンプルのうちで414に上昇したことを示した。
10代の黒人に対しては、ビタミンD不足の増加はより広範だ。旧基準の下では、11%がビタミンD不足とされていただろう。新基準の下では、その数字は50%にまで跳ね上がる。
その研究が元にした調査には12歳から19歳までしか含まれていなかったので、そのサンプルに含まれていた黒人の人数をアメリカの人口全体に占める黒人の割合で拡張することにした。その調査は1988から1994に行われていたので、1988に19歳だった人の誕生年、1994に12歳だった人の誕生年を調べることにした。それにより1969から1982の期間に生まれた人を調べれば良いことが分かった。
サンプル全体では、14%がビタミンD不足ということなので414になる。従って、414のうちの236なので黒人が占める割合は57.2%ということになる。
その研究は非ヒスパニック系の黒人は非ヒスパニック系の白人よりも20倍以上ビタミンDが不足している傾向にあることも示している。236を20で割って数字を丸めると、白人でビタミンDが不足していると数えられたのは12人、サンプル全体の2.9%ということになる。
「体重過多ぎみの子供に適量のビタミンDレベルを達成させることはまた別の問題だ。ビタミンDは脂溶性なので、もしビタミンDが脂肪の中に隠れてしまうとビタミンD不足の問題はさらに深刻になるかもしれない。体重過多ぎみの子供に対しては上限である2000 IU/dayの経口からの投与が必要となるかもしれない、とGerberは語った」
「ビタミンDの不足は多くの慢性疾患病のリスク因子となっているかもしれないと新しい証拠は示唆している。それ故、成人を研究することにより、これらの病気の発症を防ぐことが出来るかもしれない、と彼女は語った」。
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