Scott Harrington
先週の議会での演説でオバマはいつもやっているように民間の医療保険を悪魔のように見せることで自分の意見を正当化しようとした。彼は以下のような内容で攻撃を開始した。「病気になった時に保険会社が支払いを拒否したりまたは費用のすべてを支払わないということを、より多くのアメリカ人が気が付き始めている。このようなことが毎日起こっている」。
そのようなことは保険会社と適正な契約を交わし契約条項を順守している人にあってはならないことだ。だが彼が持ちだした事例には偽りの記述または情報の隠匿による契約の取消が含まれている。医療保険は病気になった後になって保険を購入したり悪意を持って情報を隠匿するような人が多数を占める場合には機能しない。
伝統的な慣行として、保険会社は費用の掛かる健康履歴の調査にではなく応募者が申告する健康状態に関する情報の信頼性に依存してきた。その代わりとして保険会社は契約が成立したすぐ後に費用の高い治療が行われた時など、疑わしいと思われた事例に対してより詳細で費用を掛けた調査を事後的にある程度行ってきた。
この慣行により(すべての応募者を調査する場合または情報の正確性に関係なくすべての支払いに応じる場合と比較して)大幅な費用の節約ができ保険料も引き下げることが出来る。さらに、幾つかの州は記述の誤りや情報の隠匿が病気に直接関係している場合には契約の取消を制限している。多くの州はそうではない。
彼はこの例を以前にも用いているが、彼の言うことはSubcommittee of Oversight and Investigation of the House Committee on Energy and Commerceでの業界慣行に関する6月16日の公聴会での記録によって退けられている。彼の妹は、Illinois Attorney General’s Officeによる調査の後に保険会社が彼女の兄の契約を再び有効にしていると証言している。彼女は彼女の兄が、予定されていた細胞移植手術を「限られた治療期間」とされる3週から4週の間に「この治療に関して全世界で最も有名な医師の一人」から治療を受けその治療も「極めて成功裡に終了し」、「それによって彼の寿命は約3年半長くなった」と証言している。
これら2つの事例は5年間に保険会社が発行した何百万もの契約書の中から特定された20000の契約取り消しに関する11万6000ページもの文書を議会職員が分析して最も悪質な事例として報告されたものだ。保険会社の代表は契約の1%の半分以下だけが取り消されていると証言している(0.1%以下)。
同様に、2007年の12月31日にAlabama Department of Insuranceによる報告書はこの保険会社の保険料に占める医療費還付の割合が92%だったと指摘している。管理費も先程の報道の通り7.5%だった。その純利益(投資による所得も含む)はその年度の保険料の2%だったとも指摘している。
法案の作成には注意深い分析とベネフィットとコストに関するきちんとした議論が必要となる。オバマが自分の意見を押し通すために民間の保険を悪く見せようとし続けてもその目的を達することは出来ないだろう。
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