PETER SUDERMAN
最高裁判事Louis Brandeisは州とは実験室のようなもので、「他の州をリスクに晒すことなく社会的、経済的な実験を」実行することが出来ると説いた。医療に関してもそれが実際に行われたことだ。
ニューヨーク州を例Aとする。1993に州は保険会社に既往症を抱えた個人に保険を提供しないことを禁止させた(ギャランティド・イシュー)。さらにニューヨーク州はすべての加入者に同じ保険料(年齢、性別に関係なく)を課すことを保険会社に強制した(コミュニティ・レイティング)。その目標としていた所は保険を手頃なものにすることによって保険に加入していない人の数を減らすことだった。
ニューヨーク州でのこの激減は州の規制による「保険料の急激な上昇が原因」と彼らは結論している。彼らはコミュニティ・レイティングとギャランティド・イシューの廃止により保険料が42%低下すると試算している。
ニューヨーク州で起こったことは決して例外的なものではない。1996にはワシントン州で同様の「改革」が行われその直後に保険料が急騰した。保険プランのうちの何割かでは改革から3年で保険料が78%上昇した。これは医療費のインフレ率の10倍にも相当する。これにより加入者が25%減少し提供されていたサービスが廃止されるなどといった他の弊害も発生した。例えば、4年未満でその州の主要な保険会社で出産に関連する費用をカバーする所はいなくなった。
カイザーによる2008の分析によるとワシントン州とニューヨーク州に加えて、ケンタッキー州、メイン州、マサチューセッツ州、ニューハンプシャー州、ニュージャージー州、バーモント州などがこれらの「改革」の実行後に「悪化」した。個人市場は遥かに高価になり保険に加入していない人の数はほとんど減少していなかった。
ギャランティド・イシューだけでは、とその議論は続く。この規制により保険料は上昇するがそれが健康な人を保険から遠ざけそれがさらに保険料を引き上げる。最終的には多くの健康な人が保険市場から遠ざかり非常に高い保険料という結果に終わる。だが保険の強制加入があればそれらの費用を多くの健康な人々に分散することが出来るので保険料を抑えることが出来ると厚かましく主張する。
保険の強制加入を義務付けたマサチューセッツ州の経験はその逆を示している。コモンウェルスファンドによるとその州の保険料は全国平均よりも遥かに速く上昇した。その州の4人家族向けプランは(1ドル=100円として)平均で137万円で今では他の州を遥かに引き離して圧倒的に高い。一方、その州の保険会社は今でもさらなる2桁の保険料の引き上げを計画中でボストン・グローブ誌によると「多くの雇用主に給付の削減と費用の労働者へのシフトを模索させている」と伝えられている。
そしてその州の医療費は急速に増加中だ。ランド・コーポレーションの研究によるとその州の医療費の増加率はその州のGDPの増加率を8%上回っている。ボストン・グローブ誌は医療費が雇用主と患者を破産させシステムの存続自体を危うくさせるのではないかとその州の保険のコミッショナーが懸念していると報じた。
一方、Massachusetts Medical Societyからの調査データはその州のプライマリーケアの提供者が締め出されていると示唆した。家庭医は新規の患者の受付を減らし待ち時間が増加したと報告している。
他の州での「改革」の結果も同じような結果を示している。2003のメイン州の改革案には下院の医療法案に含まれているパブリックオプションによく似た政府による保険のオプションが含まれていた。この公的プラン、「DirigoChoice」は2009までにメイン州の保険に加入していない12万8000人全員に保険を提供するだろうと目論まれていた。だがアメリカの国勢局によると2007のメイン州の保険に加入していない人の割合は10%でまったく変化していない。この「改革」によりメイン州の個人市場の保険料は4年で74%上昇した。毎月の保険料は2万8000円から4万9000円へと上昇した。この法律がこれまでに納税者に課した費用は155億円にまで達している。
保険の加入率がどうして100%にならないのかを探ったもう一つの記事を追加。
What If They Gave an Exchange and Nobody Came?
John Goodman
「ほぼ5人に1人が保険に加入していないのでパームビーチ郡の役員はうまい方法でこれを解決しようと考えた。その郡(小さい行政単位)は住人に対して補助金を提供するプログラムをスタートさせた。このプログラムに参加する人は医療保険を毎月5200円の費用で購入することが出来るようになる。だがこのプログラムが開始されて以来、500人以下の人数しか参加しなかった。予想されていた人数の3分の1以下だった」。
Kaiser Health Newsでは、他の事例も取り上げられている。
Linda Gorman says:
古いニュース。ウィスコンシン州のBadger Careが一年前に、低所得者は保険料がどれだけ安くても署名しなかった事実を嘆いた報告書を出している。
これは合理的な行動だ。所得が低くて資産を持っていなければ保険を購入する必要がない。もし働くことが出来なければメディケイドに加入できる。他の場合でも無料のクリニックとチャリティー・ケアがある。
これが医療保険の加入率が100%にならない理由だ。
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