黒人と白人の平均寿命の違いは黒人のビタミンDの不足で説明することが出来るのか?このビタミンD不足を解消することによってその乖離を解消することが出来るのか?
どちらの質問に対する回答も、そうだと仮定しておく。そしてそれが見た目ほど簡単な話ではないということを見ていく。
理由を理解するために、人体においてビタミンDがどのような働きをしているのかを詳しく見ていく。そして黒人に多い慢性疾患病にビタミンDがどのように作用するのか、黒人のビタミンD不足が彼らの死亡率にどのような影響を与えているのかを見ていく。さらに、どうしてアメリカ政府がビタミンDの摂取を強化することを義務付けるよう制度化しているのにそれが黒人に対してほとんど効いているようには見えないこと、ビタミンD不足を有効に解消するにはどうしたら良いのかを最終的には議論する。
Background Information on Vitamin D
The Role of Vitamin D in Human Physiology
体内におけるビタミンDの主な働きは血液内のカルシウム濃度を一定に保つ手助けをすることだ。ビタミンDは消化器系内の食物源からのカルシウムの吸収を促進したり骨の成長を促したりミネラルの吸収を促したりする。以前の結核の記事で見たように、ビタミンDはカテリシジンの生成においても重要な働きをする。これは免疫システム内において感染性の病気に対する抵抗力を高めるのに重要な枠割を果たすものだ。
ビタミンDは2つの主要な源から得られる。一つ目は、太陽の光だ。二つ目は、食物やサプリメントだ。ビタミンB同様にビタミンDにも様々な種類がある。太陽の光から生成されるのはビタミンD3で多くの食物にやサプリメントに含まれるのはビタミンD2やビタミンD3だ。サプリメントとして最も推奨されているのがビタミンD3だ。
How Much Vitamin D Do People Need?
19歳から50歳までの成人に対してU.S. Food Nutrition Boardは一日のビタミンD摂取量を200 IU (International Units)と定めている。これは5 mcg (micrograms)に相当する。American Academy of Pediatricsはこの秋にビタミンDの摂取量の新たなガイドラインを発表する予定になっている。それによると乳幼児、児童、成人は400 IU (or 10 mcg)を摂取することが求められることになっている。これは51歳から70歳までも同様だ。70歳以上の人には600 IU (or 15 mcg)を摂取することが求められている。
これらの水準は、太陽の光から皮膚に浴びる紫外線の量は予測が立てにくく天候や住んでいる地域によって影響されることを理由に求められている。北部に住んでいる人たちにとっては特に不利となる。他の要因、衣服や紫外線防止用品、皮膚に含まれるメラニンの量なども紫外線への暴露によって生み出されるビタミンDの量に負の影響を与える。
ビタミンDの取り過ぎも問題だ。一日に2000 IU (50 mcg)以上を継続的に摂取することは有害な効果を生み出すかもしれない。この量は初期には吐き気などに推奨されていたが腎臓へのダメージ、腎石、筋肉量の低下、過度の出血に繋がる恐れが指摘された。限定された期間であれば高用量の使用も問題ないかもしれない。
How Vitamin D Deficiency Contributes to Shorter Lifespans
皮膚のメラニン色素が多い黒人は白人よりもビタミンD不足の影響を遥かに受けることが予想される。ビタミンDと密接に関連していてビタミンDが体内の量を制御しているカルシウムに関しても同様だ。
Accounting for Disparities Between Black and White Life Expectancy
ここまでで、私たちは慢性疾患が黒人の死亡率を高めていることビタミンDの不足がそれらすべての病気のほとんどの主要な原因となっていることを突き止めてきた。
私たちが提示しようとしている仮説とは、黒人のビタミンD不足が黒人と白人の死亡率の違いのほとんどすべてを説明するというものだった。その詳細を見ていこう。
1.生存率は1年目から違いが発生していることを最初の記事で見た。黒人の母親は白人よりも遥かにビタミンDが不足している割合が高いので、これが未熟児の誕生、低体重の主要な原因である妊娠中毒症の割合の高さの原因となっていると仮説を立てる。未熟児、低体重ともに黒人の乳幼児死亡率の高さの大きな原因となっている。
さらに緯度の高い地域に住む黒人は同様に負の影響を受けると記すべきだろう。地球の曲率はこれらの地域の地表面に降り注ぐ太陽光の密度を低下させるからだ。
ネイティブの黒人と黒人の移民との死亡率の違いも、黒人の移民は恐らくは田舎に住む黒人と同程度の太陽の光を浴びているのかもしれないということによって説明できるのではないかと疑っている。たばこ消費量の少なさも相まって、この要因は黒人の移民の方が遥かに死亡率が低いことを説明するのだろうと思われる。
一方で、80歳以上の黒人の平均余命が長いのは彼らが主に何処に住んできたのかと関連しているのではないかと思っている。恐らく、アメリカの郊外や田舎の地域と一致していてビタミンDを多く含む食生活を送っている地域なのではないかと予想している。
Why Dairy Doesn't Work For the Adult Black Population
以前にどうしてビタミンDの食物摂取からの有効性は失われていくのかを説明すると約束したと思うのでそれを今行う。アメリカの黒人の圧倒的大多数はサハラ砂漠以南の西部を起源としている。その結果として、彼らは大人になるに従いラクトース耐性を失っていく。乳製品を消化できるようには出来ていないからだ。
そして、それがアメリカ政府によるビタミンDを多く含んだ乳製品の摂取の黒人の成人に対する義務付けがどうして機能していないのかを説明している!恐らくは、アフリカ東部からの移民にしか機能しないのだろう。アメリカへの黒人移民の平均寿命の長さも部分的にはこのことによって説明されるかもしれない。
What Would Work Better
ビタミンDを自然に含む食品はほんのわずかしかない。乳製品以外ではこのようになる。タラの肝油、サーモン、サバ、ツナ、いわし、マーガリン、卵、牛の肝臓。サーモン、ツナ、卵、マーガリンぐらいだったら知っているかもしれない。でも他のものとなると食欲をそそるだろうか(タラの肝油…)?
しばしば、答えるのが最も困難な質問には「ここではこうなっていて、でもこっちではこうなっていないのか?」といったようなものが含まれる。
この一連の記事を通して、それが私たちの挑戦だった。何故黒人の乳幼児死亡率は白人よりも高くて、だが1歳から20歳までの死亡率は白人とほとんど変わらないのか?何故黒人成人の死亡率は白人よりも高くて、だが80歳以降ではそれが白人よりも低くなるのか?何故都市部近郊の黒人は(医療機関へのアクセスに大幅に恵まれているにも関わらず)田舎に住む黒人よりも平均寿命が短いのか?何故10代の黒人の母親は黒人の他の年代よりも未熟児、低体重児を出産する割合が低いのか?何故統計を見ると母国では遥かに平均寿命が短いにも関わらず彼らがアメリカに移民してくるとネイティブのアフリカ系アメリカ人を平均寿命では圧倒するのか?
次回は、この一連の記事の最後のまとめとなる。そこでは、これまで見てきたすべてのデータに対して回答を与え一つの統合された説明を提供することになるだろう。
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