2016年3月19日土曜日

Economists Address the Supreme Court

Greg Scandlen

今日の「神話の破壊」は前CBOの責任者で現在はAmerican Action Forumに所属するDouglas Holtz-Eakinを筆頭とした215人の経済学者によって届けられた。これらの経済学者はアメリカの最高裁にオバマケアとして知られるAffordable Care Actに関する意見書を提出した。

この意見書の中で彼らはリベラル派が流してきた嘘の数多くを粉々に打ち砕いた。リベラル派が流してきた嘘を以下にまとめてみた。

・医療は他の市場とは異なる。よって他の市場に適用されるルールからは除外されなければならない。

・医療は特殊なので政府による介入がほぼ無制限に許される。

・医療には消費者が存在しない。

・保険に加入していない人がいることは社会の他の構成員に巨額の負担を負わせる。

これらの嘘が単に論破されただけでなく粉砕された、遅きに失した感はあるが・・・一つ一つ見ていこう。

医療は他の市場とは異なる:この考えは介入を正当化するためと、同様の条件で機能している市場はないのでそのような介入はこの市場に限定的だ、だから政府(議会)の力に対する制限はこれからも維持される、と最高裁を安心させるために企てられたと意見書は述べている。

経済学者たちはそれに対してこう答えている。

「雪の結晶がそれぞれ特別(誰もがユニークで特別な存在という意味の言い回し)だという意味においてのみ医療市場は「特別」だ。政府が介入の根拠としている経済的特性は医療だけに限られるのではなく他の多くの市場でも見られる。実際、政府によって頻繁に引用される費用に関連した外部性は医療市場に固有なものですらなくむしろ連邦法によって生み出された歪みの反映ですらある」。

全員が医療市場に参加している:これは医療がユニークであると見せかけるための方法の一つだ。経済学者は以下のように答えるだろう。「多くの人がいずれかの時期に医療を利用するという一般的な意味では正しい」が同じことは運輸でも交通でも食品でもその他数多くの市場でも言える。実際、食品のようなこれら他の市場への参加のほうが遥かに確実だ。何故なら「医療に比べて、食料の消費は人間の活動に必要不可欠なものだからだ」。

経済学者たちは更に続ける。

「医療はその費用が予測可能でないのでユニークだと主張している。だが実質的にほとんどすべての保険商品は予測可能でない費用をカバーするためそして未知または予想していないリスクをカバーするために設計されている」。

さらに面白いのは、病院は個人が医療費を払えるか払えないかに関係なくサービスを提供することが義務付けられているので医療はユニークだという議論に対する経済学者たちの反論だ。

「この特徴は市場本来のものではなく連邦政府の規制の副産物だ。自分自身が生み出した独特な形式の市場の外部性を規制するのに政府が権限を要求するのは従って循環論法だ」。

彼らは過去に行った結果を修正するために政府が権限を拡大しようとするのを妨げている以前の数多くの決定を指摘し続ける。

保険に加入していない人は社会に大きな負担を掛けている:経済学者たちはこれが単に間違いで、今回の強制加入によって影響を受けるであろう非加入者にとっては特に間違いだと論じた。

政府は未払いの医療費が年間で(1ドル=120円として)3兆5000億円社会に負担を掛けると主張した。そしてアメリカ人は一人あたり平均で年間に52万円を「医療サービス」に費やすと主張した。経済学者たちは笑いをこらえながらこれらの主張をシュレッダーにかけた。

第一に、彼らは3兆5000億円は全体で200兆円の医療市場に比べれば大した額ではないと指摘した。全体の1.8%だ。

第二に、保険の強制加入によって影響を受ける人々は自発的に保険に加入していない人々で元から保険を楽々と購入できるだけの所得がある。従って、今または将来にメディケイドに加入する人々、将来も保険に加入しないままなので不法移民の人々を未払いの医療費の計算から除外しなければならない。一度これらの人々を計算から除外すればそして強制加入の後にも保険に加入しないままで居続ける人々の費用を除外すれば残った未払いの医療費はわずか1兆円または総医療費の1%の半分(0.5%)でしかない。

第三に、彼らはよく引用される一人あたりの医療費の数字は若くて健康的で自発的に保険に加入していない人々とはほとんど関係がないと指摘する。実際、この集団は年間で一人あたりわずか7万円しか医療に費やさない。払えないという主張からは程遠い額だ。

経済学者たちは政府の主張を退けて、保険の強制加入は未払いの医療費とは何の関係もなくすべては政府が規制したいからしているに過ぎないと結論する。

「目的と効果から見て強制加入はACAによる極めて重い規制によって生み出された歪みの穴埋めのために設計された。保険加入を拡大させるとの名目で政府は保険会社が経済的に合理的で基本的な価格決定をするのを禁じている」

「従って、政府は保険会社に補助金を与えるためそして若く健康的な人々が逃げ出して保険料が高騰するのを阻止しようとの意図で強制加入を課そうとしている。消費者に金銭的に不利な取引を強制させることで政府は保険会社に課される規制の費用やACAによって引き起こされる保険料の急激な高騰を緩和させようと企てている」。

これらはこれまで(何十年間と)保守派が行ってきた主張と何ら変わるところがない。医療は他の市場と物質的に異なるところがない。未払いの医療費は今までもそしてこれからも些細な問題だ。そしてほとんどの保険の非加入者は保険の費用と保険の価値とを照らしあわせて経済的に合理的な判断を行ってきた。このようなものが国の危機かのように仕立てあげられ最高裁にまで持ち込まれたことは恥ずべきことだ。

以下、寄せられたコメント。

charlie bond says:

アメリカ人は医療経済学に関して嘘を教えられているというのは事実だ。

私は丁度これらの点に関して生前のミルトン・フリードマンと数時間の議論を行った。医療は他の市場とは異なる、でもそれはよく云われるような理由からではない。

GDP比で見た医療費を3%ポイントほど削減すると思われる4つの案がある。Erskine BowlesやFuchsによる最近のニューヨーク・タイムズの記事によると、GDP比で見た医療費を3%ポイントほど現在でも将来にでも削減すればそれだけでアメリカの債務は消えてなくなるそうだ。

Bryan says:

個人的には、アメリカの保険システムは実際には保険ではないので保険に加入しないままでいることを好む。これは再分配のシステムだ。どうして私のように食生活も規則正しい運動も健康的な習慣もほとんど完全に心掛けている人間が州の法律によってHIVに感染しているかどうかを尋ねることを禁じられている保険会社から保険を購入しなければならないのか?これは保険会社に課せられ支払うように強要される多額の費用だ。保険は本来完全にランダムなイベントに対するものだ。保険であれば、リスクが完全に異なるプールの中に入ることを強要されるべきではない。これはありとあらゆるものをカバーすることを保険会社に強要した州と連邦政府による富の再分配だ。他人の間違いの穴埋めをさせられるぐらいなら保険に加入しないままでいたほうがずっといい。

Greg Scandlen says:

ブライアンへ。

それはまったくもって正しい。医療保険は税の別名となっている。法律作成者は薬物乱用や自閉症に関して「何かを」しようと考えるがそのためにプログラムを組んだり税金を課すのではなくて保険会社にそれをやらせるように強制する。法律作成者は「私は決して税金を上げたりしていません」とアピールするが保険会社は保険料を引き上げたことによって非難される。政治家にとってはおいしい取引だ。

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